【BL】（愛しの）妹を守ったら男に迫られたんだが。＼(^o^)／２【オリジナル】

ごじゅなな。〈風葉視点〉 ページ14

念のため言っておくが、別に俺は男が好きなわけじゃない。


女は苦手で、疾風が好きなだけだ。


だから、こんなんされて嬉しいわけないし、ドキドキするわけもない。


寧ろ、不快でしかない。



けれど抵抗しないのは、めんどくさいから。


あと、こいつのキスはもう慣れたから。


最大の理由は、龍太は怒らせちゃいけない奴だから。


龍太には色々と前科があったりする。


具体的に何をしたのかは言えないが、結構やらかしてる。


温厚そうに見えて、案外短気なのが龍太だ。




「ん…んんっ…」




唇を食むようにキスしてくる龍太。


唇を舌でなぞられて、薄く口を開くと、龍太の生暖かい舌がにゅるりと入ってくる。


舌を絡ませてきたので、俺からも舌を絡ませてやる。



がっつきすぎず、ひきすぎず。




ちゅ、クチュ、ぢゅるっ



静かな中庭では、キスする時のリップ音も水音も、無駄に響く。



龍太はキスが上手い。


ただ、俺はこのキスはあまり好きではない。


ねちっこくてヤダ。


上手いと好きは違う。


そもそも俺は、こいつが好きじゃない。



2,3分ほどして、流石の俺も嫌気が差してきた。


龍太の胸板をトントンと叩いた。


「もう離せ」という意味で。



ところが、何を思ったか、龍太はもっと激しく攻めてきやがった。



「んっ、んんぅっ…！！ちょっ…」




後頭部を押さえつけられ、喉奥まで掻き回してくる。



流石の俺も我慢ができず、龍太の首根っこを掴んでぐっと力を込めて引き離す。


その瞬間、唇が離れ、酸素が一気に入ってきた。




「いった……ちょっと、もっと優しく扱ってよ…」


「こっちのセリフだクソ野郎！！長ェんだよ！！」




いつの間にか口の端から零れていた唾液を手の甲で拭って、龍太を睨みつけた。


龍太は、俺が掴んだ首根っこを痛そうにさすっている。



……そんなに痛かったのか。


ザマァみろだな。

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