さんじゅし。 ページ37
じーーーーーっと、風葉の顔を見つめ続ける。
すると、目をそらしたままの風葉の顔が、だんだん曇ってきた。
眉がじょじょに釣りあがっていき、目には若干黒い影がかかっている。
………なんか、こいつ、怒ってる？
「……っ、畜生…！！」
突然そう声を荒げ、ばっと体を起こす風葉。
すると、すごい勢いでぐっと俺に近づいてきた。
「っ！？」
あまりの勢いに、反射的に体が後ろに下がった。
それもつかの間、風葉は俺の両腕を掴み、そのまま___________
「……った…！！」
________あろう事か、俺をベッドに押し倒したのだ。
「……っか、ざ」
突然の出来事に驚き、声が上ずった。
部屋の照明が風葉の背を照らし、逆光になってる。
風葉は、目をかっぴらいて、はぁっ…はぁっ、と、息を荒くして興奮しているようだった。
その瞳は、俺を映しギラリと光っていた。
…それが、獣のように見えた。
「……っ」
滅多に見ない、というか初めて見た風葉のそんな姿に、俺はすっかり怯えきっていた。
両腕を押さえつけられたまま、目をそらす事も出来ず、ただただ、目の前の野獣と化した友人を見つめる。
「かざ、はっ…？どうしっ……」
なんとか捻り出した声は、すっかり震えていた。
いや、震えすぎだって俺の声！大丈夫、落ち着け俺の声！！
「……ぇがっ…」
蚊の鳴くような声で何かを言う風葉の言葉は、案の定聞き取れず、
俺は、「ぇ…？」と、震える声で聞き返した。
声はちっとも落ち着いていないようだ。
こちらをキッと見つめながら、チッ…と小さく舌打ちをされた。
その小さな音が、俺には地震の時に流れるあの音を聞いた時と同じくらいのものに感じた。
つまり、クソ怖い。
「ヒッ…！」
男のくせにこんな情けない声を出すのはどうかと思う。
俺だってこんな声、出したくて出してるんじゃない。
「ヒッ…！」って。「ヒッ…！」って。
けど、おっかない顔した男に突然胸ぐら掴まれたらこんな声出ても無理ないと思う。
「…っわ、悪かった！もう問い詰めたりしないから！！だから離しt」
「お前が龍太に触られたトコ全部俺ので上書きしてぇからに決まってんだろクソが！！！！」
……………。
………………。
「………………………ぇっ」
およそ10センチの距離で吐かれたその台詞は、熱のせいで上手く回らない頭のおかげで、
聞き間違えたのだ、と、そう思う事にする。
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ここあ - バイセクシュアルではなくバイセクシャルでは？ (2018年10月26日 14時) (
レス) id: 0f9e78fc04 (このIDを非表示/違反報告)
野菜ジュース - めっちゃ面白いですね！！更新頑張ってください！！(*TーT)b (2017年7月22日 20時) (レス) id: 59730cd92e (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊さん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです…！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))お気に入り登録、ありがとうございます！！嬉しいです^ ^ (2017年1月27日 19時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊(プロフ) - もう、大興奮です！すごく面白いです！早速お気に入りに登録しました！！ (2017年1月24日 15時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけたようで…！そう言って頂けてとても光栄です、ありがとうございます！！(=´∀｀)人(´∀｀=) (2017年1月24日 7時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大輝 | 作成日時：2017年1月3日 14時
