にじゅなな。〈風葉視点〉 ページ30
「……にしても、中々いないよね。そんな妹想いな子」
俺の腕の中で眠る疾風を見て、そう言う龍太。
ぐっと疾風を支える腕に、力をいれた。
「……それを脅しにコイツに手ェ出したんだな？」
「脅したとは失礼な！俺はただ、妹ちゃんに何もしない変わり、君が俺の相手してって言っただけだよ」
「だから脅したんじゃねぇか」
「そうかも」
そう、ふふ、と笑う龍太は、相変わらず貼り付けたような笑顔だった。
あぁ……心底ウザい。
恐らくコイツは、俺らの存在に気づいていた。
そして、龍太は疾風の事をとっくに知っていた。
ずっと俺の近くにいた疾風を、龍太は狙っていたのだろう。
そしたらたまたま、合コン相手が疾風の妹で、疾風はその妹についてきていた。
疾風がトイレに行こうが行かまいが、最終的には疾風に手を出す気満々だった。
そしたら、あちらからきっかけを作ってくれた……ってとこか。
もっと早くに気づくべきだった。
「……相変わらず、策略家なこった」
「そう？」
コイツの悪知恵に、俺も何度も騙された。
コイツは、こんなチャラい見た目しといて、字頭がよく器用なのだ。
「まぁ、今回はお試しみたいなもんだったから最後まではしなかったけど……次は、わかんないかもよ？」
「……っ」
……この目、本気か。
冗談じゃねぇ。
この5年間俺が必死で築いて守ってきたもん、そう簡単に壊されてたまるか。
「……っは、やれるモンならやってみろ。
……俺がいる限り、お前はコイツに手ェ出せねぇから」
そう言って、眠る疾風の顎を持ち、触れるだけのキスをした。
「……！」
龍太は目を見開く。
流石の龍太も驚いたようだ。
が、すぐいつもの笑みをみせ、「……ふぅん」と呟いた。
「面白くなりそうだ」
そう、眉をひそめて反抗的に笑った龍太は、久々だった。
「………。」
ぐっすり眠る疾風をおぶる。
体格はあまり変わらないが、軽いっちゃ軽い。
「……お前も、早く戻れよ。うんこしてるって思われるぞ」
「ちょっ、去り際にそれはないでしょ！」
そう言う龍太を横目で見て、トイレを後にした。
「……ぜってーあげねぇ。」
最後の最後まで余裕そうな笑顔を浮かべていたそいつに対し、聞こえない声で、宣戦布告した。
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ここあ - バイセクシュアルではなくバイセクシャルでは？ (2018年10月26日 14時) (
レス) id: 0f9e78fc04 (このIDを非表示/違反報告)
野菜ジュース - めっちゃ面白いですね！！更新頑張ってください！！(*TーT)b (2017年7月22日 20時) (レス) id: 59730cd92e (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊さん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです…！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))お気に入り登録、ありがとうございます！！嬉しいです^ ^ (2017年1月27日 19時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊(プロフ) - もう、大興奮です！すごく面白いです！早速お気に入りに登録しました！！ (2017年1月24日 15時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけたようで…！そう言って頂けてとても光栄です、ありがとうございます！！(=´∀｀)人(´∀｀=) (2017年1月24日 7時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大輝 | 作成日時：2017年1月3日 14時
