【BL】（愛しの）妹を守ったら男に迫られたんだが。＼(^o^)／【オリジナル】

おまけ。〈風葉視点〉後 ページ15

「どうじよ”ォ”ォォ”……おれ”、合コンゆるざんかっだら”よ”かっ”たぁぁああ………」


「今更かよ！！もー話それすぎなんだよ…！！オラ尾行すんだろ！？行くぞ！！」




……変に情なんか持つからそうなるんだ。


合コンを許したのだって、妹に悲しい思いさせたくなかったからだろ。



もう一度言う。

依存したって、お互いに依存していなきゃ意味がない。


経験者の俺が言うのだ。間違いないだろう。




「ちっげぇよォォォ…俺の可愛い”いも”ーとだばがや”ろ”ォォォ………」



こいつは優しい。


大事な妹を、大事だからと縛ってはいるが、縛りつけてはいない。


ただ、純粋に、妹の幸せを願っている。





……俺は、依存した相手の魅力に誰も気づかぬようにと、ソイツのあらゆる恋愛チャンスを断ち切ってやった。誰も近づけさせない。近づけさせたくない。


こんな気持ち、叶うわけがないから。こんな感情は、無謀で不毛でただただ不憫なだけだから。


せめて、俺が近くにいるウチは、どうか、俺の胸の中だけにいて。





「…………俺にしときゃ、楽だったのに」




……依存する相手が悪すぎた。


俺も、お前も。



「……かざはー？」


「…ん、なに」


「あんパン食うかー？」


「……何故あんパン」


「あ、牛乳もあるぜ」


「なんかの三流探偵モノか？」




せめて、お前のその魅力を知っているのは、俺だけでいて。




「なーんだいつもの風葉じゃん」


「……え」


「ボーッとしてたからどうしのかと。でも心配する必要なかったわー。

風葉君は通常運転でしたね！安心安心！」



…これだから、好きなんだ。



「……ありがとな」


「んあ？なにが？あんパン食う？」


「別に。あんパンはいらない」





お前に依存するのは、今は、俺だけでいい。


今だけでいいから、




「なんつーかさぁ…こういうことやってると思うんだけどさー」




だから、




「やっぱ、俺の隣に立てるのはお前だけだなー！」


「……そうだな」



……これくらいの嘘は、見逃してくれよ？



「……素直、きも」


「別に最後まで付き合ってあげなくてもいいんだぞ？」


「カザハクンスナオウレシイナーーーー！」


「なんだそれ」


「……何だかんだ言って付き合ってくれるよなー、お前」




……あぁ、なんて、



「……俺、風葉のそーゆートコ、すげー好き！」





狂おしいほどに、愛おしい。





・
以上、主人公大好きな風葉君でした。

じゅうし。→←おまけ。〈風葉視点〉前

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す