明けない夜はない８

☆ ページ8

-北斗-

大我は朝から体調が悪くて樹と慎太郎とジェシーは売店で
優吾は退院に向けて少しづつ家に慣れるために外泊に行ってて・・・


俺は暇つぶしに院内散歩に出かけていた。

図書館、ナースステーション、プレイルーム、幼稚部・小中高に分かれた院内学級、職員室、食堂、テラス、大浴場・・・小児科病棟はもう知り尽くしてる。

いや、小児科病棟だけじゃない。

この病院を知り尽くしてるって言った方がいいかもしれない。

なんてたって・・・もう10年くらいはいるからね。


たどり着いたのは中庭なんだけど・・・
そのさらに奥。

ここは昔大我に教えてもらった場所。

もう使われてない古びた小さな病室がいくつかある。

初めて連れてこられたときは怖くて仕方なかったけど・・・

今は一人になりたいときや泣きたいときはここにきて思い切り泣く。

大我がそうすればすっきりするよって。

そう教えてくれた。

鍵が閉まっててチェーンもかけられてるけど壊れてるから簡単に開けることができる。

別に今日は泣きたいってわけじゃないけど・・・・

なんとなく・・・・。

でも・・・

どれくらい経ったかはわかんないけど・・・・。

だんだん気持ちが悪くなってきて・・・気づいたら冷たい床に倒れこんでいた。

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