約束の明日。 (ページ10)

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☆ ページ10

‐岩橋玄樹‐

いつもマンションの僕が6階でエレベーターを降りる。

玄「えっと・・・じゃあ」

廉「今日は言ってくれへんの？」

玄「え？？」

廉「また明日って」

玄「・・・また明日」

永瀬くんはさっき自分には明日が来ないかもしれないって言った。

僕にとっていつも何気なくまた明日！！って言ってた。

明日は絶対来るなんてあたりまえじゃないんだね。

もしかしたら、今日僕も死ぬかもしれない

お母さんが死ぬかもしれない、お父さんが死ぬかもしれない。

今日を大事に生きないといけないね。

帰ってから永瀬くんの病気のこといろいろ調べてみた。

どのサイトにも
移植以外に完治することはないって書いてある。

それに移植するには適合するドナーがまずいないとできないし、ドナーを待っている人は
世界中に多くいて永瀬くんに順番が回ってくる前にもしかしたら・・・・

玄母「玄樹！！！テスト勉強してるかと思ったら！！スマホですか！！！」

取り上げたお母さんがスマホの画面に目をやった。

玄母「なに？？これ？？？なんでこんなの調べてるの？？」

玄「永瀬くん・・・」

玄母「はい？！」

玄「永瀬くん、心臓の病気なんだって・・・」

玄母「え・・・何言ってるの？」

お母さんにさっき永瀬くんから聞いたことを話した。

話しながら僕はまた泣いてしまった。

次の日の朝。

廉「おはよ」

玄「おはよ、永瀬くん！！」

廉「なぁいい加減その永瀬くんってやめよ！！玄樹！！」

玄「え・・・廉？」

廉「そうよんで！！」

玄「廉！！！！」

廉「うるさいわ！！！ほんま・・・女子か！！」

だって嬉しいんだもん！！！