シアトリカルな彼女 2【H×H】

5章1話　菫色の彼女 ページ37

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　───グリード・アイランド。

　ハンター専用のハンティングゲームで、世界に存在するソフトの数はたったの100本。

　1本のゲームにつき、マルチタップを使用して最大8人がプレイできることから、同時にプレイできるのは、1番多くても800人。

　実際の数は、マルチタップを使わなかった場合や、セーブしてゲームを1度離れる場合を考えると、さらに少ない。


　つまり、何が言いたいかというと。

　それは、母数が少ない分だけ、実家の息がかかった者が居る可能性も極めて低いという事だ。

　まぁ、100本もあれば、1本くらいはうちの実家が所有している可能性も無くはなかったが、ゲームへの拘束期間や莫大な入手金を考えると、結局はそれも薄い。

　不確かな“ごほうび”のために金と時間をなげうつほど、彼らは追い詰められてもいなければ、夢やロマンを追いかけているわけでもないのだ。

　そんな訳で、グリード・アイランドというゲームが、私の一時的な逃亡先に決定したのである。


　となると、問題はどのソフトで、どのようにしてゲーム内に入るか、というところなのだが───。


　金やコネの力を使って、現在のグリード・アイランドのソフトを誰が所有しているのか確認してみたところ、

　100本のソフトのうち37本を、バッテラという大富豪が所有している事が分かった。

　本当は38本持っていたらしいが、襲撃により1本は失ってしまったそうだ。

　幻影旅団の仕業だ、という噂も結構流れているが、強盗事件があると｢幻影旅団だ！！｣と騒ぐやつは必ず現れるので、真偽のところは定かではない。

　そして残る62本だが、イルミによれば、ヒソカかクロロがそのうちの1本を持っているとか持っていないとか、そんな感じらしい。

　とはいえ、私はクロロが嫌いでヒソカも苦手なので、仮にどちらかが持っていたとしても、絶対にここのソフトからはプレイしたくない。


　……絶対に。


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