ヒロアカ夢小説⑤ (ページ10)

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その210 ページ10

けど、それってどんな俺でもAに受け入れてもらえるっつう甘えだよな」

涙腺も元通りになったし、彼の腕を軽く押し退けながら

「それは甘えっていうか…私のこと信頼してくれてるって事なんじゃないかな」

「…確かにそれもあるかもしれねぇな。

だからAの今まで俺に言ってくれた言葉は全部無意味じゃねぇからな。

緑谷のきっかけがなきゃ変われなかった俺が言っても、説得力ねぇだろうけど…」

今度はしょーとの目を見ながら言う。

「ううん、そんな事ない。

私の事特別な存在って言ってくれたけど、それって家族みたいな存在ってことだよね？

そういう風に思ってくれてたって知れて嬉しいよ？」

「家族…なのか…？」

「何を置いても絶対に自分の味方でいてくれる存在が家族なんじゃないかな。

そういう意味じゃしょーとも私にとって家族だよ？」

「そうか…それならそうかもな。

…なぁ、Aが俺を置いて離れる事って…ねぇよな…？」

「もちろん！

例えしょーとにそうしてって言われても、置いて行ったり離れたりしない。

…あれ、それじゃ迷惑か(汗」

「俺がそんな事思ったり言うことは絶対ねぇから、迷惑なんてあり得ねぇ。

むしろ俺の方がいつAに嫌われても…」

「え？それこそ、そんな事絶対ないよ？

例えしょーとに殺されたとしても嫌いにはなれないと思うから、安心してよ！」

「は？俺が殺す？なんでそんな…」

「モノの例えだから！

それくらいの事されても嫌いにならないよってこと」

「…もしそんな事なっちまったら、責任取って俺も死ぬからな」

「えー、それはイヤだな」

「だったら簡単にそう言う事言わないでくれ。

いくらAが治癒持ってて怪我が治りやすくたって、ヒーロー目指してるんなら死だって普通より近くにあるんだ」

「そうだね…考えなしだったね…」

「あ…悪りぃ、その…」

彼女がまた下を向いてしまったので、泣かせてしまったかとあたふたしていたら

「私の事考えて言ってくれたんだよね？

ありがとう！」

と言ってにこっと笑った。

「…やっぱり笑ってるAの顔の方が好きだな」

「ふふっ、私もしょーとの今の顔好きだよ！」

「俺、どんな顔してるんだ？」

「優しそうな顔！」

「そうか…」

と言ってふわっと笑った。

下校中。

何だか周りの景色が急に色鮮やかになった気がする。

きっとAに嫌われてないって分かって、たくさん話して、前の様に一緒に帰れてるからだろう。