その244 ページ44
無事、質問コーナーが終了。
利井田先輩達と一緒に急いで片付けをしたお陰で、何とか最終下校時刻のチャイムが鳴る前に教室を出る事が出来た。
先程の配信を見たと声をかけてくれる人達にお礼を言いながら、下駄箱に向かって歩いている。
と、誰かにじっっと見られている様な視線を感じた。
下校時刻間際で人数が多いから、そう感じるのかもしれないが…。
敵意や殺意では無さそうだし、私の気のせいかもしれないし…と、考えている内に目的地に着いた。
しょーとには先に帰っててと伝えたけど、もし待っててくれてるなら先に帰っちゃうのは申し訳ない。
そう思い、彼の下駄箱を確認しようと覗いてみると…
上履きが入っていた。
という事は、もう校舎にいないって事だから先に帰ってるんだな。
そう判断して、私も校舎を後にした。
1人で帰るのってひょっとしてかなり久しぶり…？
えーと、昨日はしょーとと帰ったし、その前までは授業の遅れを取り戻す為に泊まり込みだったし…
あれ、もしかしてUSJ事件の前？
それぐらいまで遡らないと1人で帰った記憶がない。
まぁ、あの事件をきっかけに帰りも一緒にって事になったんだもんね。
あ、そういえば、そろそろ期末試験の結果出てるのかな？
筆記は大丈夫だと思うけど、実技はアウトだろうな。
補習終わってから合宿参加って事になるのかなぁ。
補習対象者の方が個性を強化させる必要があるのだから、合宿に参加できないって事はないだろう。
そんな事を考えながら、連絡が来ているかを確認するため携帯を取り出した。
あ、そういえば電源切ってたんだっけ。
実技試験の最中、携帯が鳴って気付かれるなんて事を避けるために電源を切っていたのだ。
電源を入れ…
え、個別に電話？！
…と思ったら、しょーとからだった。
彼女が教室を出て行った後、放課後に予定がない人はAのライブ？を見ないかと八百万が提案した。
彼女は元々Aが今日これをやる事を知っていたらしく、見るための機材を用意したそうだ。
「さっすがヤオモモ！準備万端！」
「しかも機材がなんかプロっぽい！」
「ね、私達なんて、スマホで見るつもりだったしね」
「しかも、カフェの無料Wi-Fiで笑」
「え、2人とも知ってたの？！
…ん？でも、さっきAの事誘ってたよね？」
「あれはワザと。Aにバレないよーにする為の」
「…なるほどね。A、その辺鋭いもんね笑」
「あ、買い出し組が帰ってきたみたいだよ！」
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作者名：秋葉 | 作成日時：2020年11月30日 21時
