その238 ページ38
そんな空気を変えようとしてくれたのだろう、マイク先生が口を開いた。
「反省も大事だけど、良かったところを認識して伸ばしてくのも重要だろ？
ここは私めっちゃ良くできた！みたいなのねぇの？」
「あら、マイクにしては良いこと言うじゃないの笑」
「シヴィー！！」
「確かに強み弱みをちゃんと把握するのは大事な事なのさ！」
校長先生はそう言うと
何かあるよね？
そんな表情で見てきた。
「良かった点…最後まで個性を使えた、つまりペース配分はミスらなかった点ですかね、結構ギリギリでしたけど。
あとは…新作の技を遠隔でもマーキング出来た点も挙げられるかなって思います」
校長先生が頷きながら、口を開いた。
「じゃあこの試験、君は合格出来そうかい？」
「不合格だと思います」
画面には丁度、百ちゃんが映っている。
「この時、私は八百万さんに手書きのメモを間接的にですけど渡しました。
彼女ならそれだけで私の試験内容の少なくとも半分は推測できると思います。
だから…」
Aさんがクラスメイトの皆さんにマーキングしている映像を見ています。
あんなに小さなものを、しかも一度も外さずに当て続けるなんて！
試験時間も…いくらインターバルがあるといっても、精神的疲労は通しで行っているのと同じでしょうに。
「実践を想定した試験内容」とは言っても、彼女のそれは私達とは段違いですわ。
先生方は…強大な敵に彼女が狙われるかもしれない、そうお考えなのでしょうか。
元々、彼女は個性やお家柄から敵に狙われやすい。
それはご自身も承知済みで、だからこそ幼少期から訓練をされていた訳でして…
それでも先生方が警戒せざるを得ない何かが動いている、あるいは動くかもしれないのでしょう。
もしそうなってしまった時、私にできる事は…
そう考えながら映像を見ていると、オールマイト先生とAさんが映っている場面になりました。
それから少しして映像は終了しました。
「星花の試験がどういう内容だったかは今ので分かっただろ。
で、どう対応していたらあいつにボールを放たれなかった又は避けられたか、あるいは放つ瞬間を見られたか
自分の試験の反省に加えて、それも合わせてレポートにまとめて明日提出な。
…もちろん、自力でやれよ？」
相澤先生はそう仰られると先程リカバリーガールがいらっしゃった方に移動し、その前にある機械をいじり始め…
と次の瞬間、壁が上にせりあがり…
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作者名：秋葉 | 作成日時：2020年11月30日 21時
