その217 ページ17
私だけ対戦相手の先生もいなければ、ペアの相手もいない。
なんで？と考えていたら相澤先生が
「今から15分後に切島・砂藤ペアから始めるから、作戦練るなり準備しとけよ。
それと…星花はちょっとこっちに来い」
と言った。
言われた通り先生の元へ行くと、先生は歩き出した。
ついて行った先には…おばあちゃんがいた。
「え？おば…じゃなくてリカバリーガールと、私戦うんですか？！」
「それは違うのさ！」
「あ！校長先生も一緒だったんですね。
…わざわざ場所移動した理由って私の試験内容と関係あるんですよね？」
「その通り！
星花さんには他の生徒とは少し違った試験を受けてもらうんだけど他の生徒達に内容を聞かれると困るからね。
だからまだ生徒が来ていないモニタールームに移動したってわけさ。
さて、気になる試験内容だけど…
それはズバリ！"クラスメイトに気づかれる事なくA組全員にマーキングすること"！」
「…マーキングって事は私の技の的確さ、
気づかれずって事は…相手の行動を先読みする力を見るってことですよね。
みんなの試験形式で後者はテストできても前者はできないから、私だけこの試験形式…？
あ、でも私だけみんなと違って痛い所突かれてなくないですか？」
先程の組み合わせで、こちらがテストしたいポイントが何なのか気づいているのか。
「確かに星花さんの戦闘形式は空中からの射撃がベースとなっているよね。
これは鍛錬と正確さが無ければ成立しないものだ」
「じゃあ何で…」
「話は変わってしまうんだが、職場体験期間に死柄木弔及び黒霧と会ったそうだね？」
「あ…先生に報告するの忘れてました、ごめんなさい」
「僕達にも言って欲しかったが、君のお父さんから聞いたからね。
聞く限りではあの場での行動は正しかったと思うよ。
だから言いそびれた件については不問さ。
ただ星花さんが無傷でいられたのは相手に戦意がなかったからこそだっていうのは分かっているよね？」
弔さん達の行方が分からないこと
私が弔さんに興味を持たれているだろうこと
私だけみんなと試験内容が違うこと
今敢えてステイン事件を持ち出したこと…
「資格がなく公に個性を使えない私が、もし弔さんのような自分の力量以上の敵に会った時に生きて帰って来られるように…
だから私だけ今回のような試験形式になったと」
「…あぁ」
「まぁそういう事だな…じゃあ試験の詳しい条件を説明するぞ。
まず…」
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作者名：秋葉 | 作成日時：2020年11月30日 21時
