片思いの ソノ先に…【黒】vol.2

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「あ〜っ、お前ら もうちょい静かにせぇ」


「は〜い」


「ちょっ…菓子 こぼすなよっ」


「は〜い」

後部座席に座るみんなは、とても楽しそうで、お喋りしたり お菓子食べたり…


「はぁ…せやから俺、イヤやってん」


「でも、先輩から車 出してくれるって、言ってくれたって聞きましたよ？」


「そうやけどっ。こんな事なるなんて、思ってへんしっ」

バックミラー越しに後ろの様子を見ると、ワイワイと話に花を咲かせている女子達

ミヤさんだけが、こちらの方が気になるようで、バックミラーをチラチラ見てるから、慌てて視線を逸らした


あぁ……こわい 怖い



「清水、水〜」


「なんですか？」


「水、取って」


「自分で取って下さい」

ミヤさんの視線が気になって、なるべく先輩と関わらないようにしたいのに


「俺、運転中。ハンドル離したら事故んでっ」


「はいはい、わかりました」

それから、あれ取れ これして、と色々言いつけられて

合宿会場に着いてからも、やたらと私に声をかけて来る横山先輩


気にしたことはなかったけれど

ちょっと 気になった



早めの昼食をとったら、パート練習に合奏練習

夕食前まで みっちり練習


「荷物片付けた人から、食堂で夕食です。その後、18:30からキャンプファイヤーですので、ヨロシク〜」

イェ〜イって、みんな盛り上がってるけど、どこにそんな体力あるんだろう


“はぁ…”とため息ついたら、同じタイミングで隣から聞こえて来た ため息

「どうしました？」


「お前んとこの団長さん、タフよな」


「あぁ…ですね」


「てか、みんなどこにそんな力 残ってんねん。俺 結構ヘロヘロやねんけど」


「私もです。早くゴロゴロしたい…」



部屋は小さいけれど、ひとり一部屋 用意されてて、誰にも気を使わない空間に、ホッとした

ちょっとウトウトして、夕食の時間ギリギリに食堂へ


最初は乗り気じゃなかったキャンプファイヤー

でも、参加してみると案外楽しくて、今日の疲れも吹っ飛んだ


部屋に戻って、お風呂に入りゆっくりしていたら、トントンとノックされたドア

「ハ〜イ」

ドアを開けると、立っていたのは同級生


「何？どうした？」


「Aちゃん、聞いた？」


「何が？」


「なんかね？横山先輩の部屋、超VIP待遇なんだって」


「そうなの？」


「そうっ、今からさ 見に行かない？」


「行くっ！」



この時は、ほんの軽い気持ちで鞄の中のお菓子を持って、横山先輩の部屋に向かった

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