片思いの ソノ先に…【黒】vol.2

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「おいっ。清水、大丈夫か？」


「はっ……いぃ…」

とりあえず清水の隣に座って、どうにか泣き止ませるようになだめていると



「あれっ？彼女、横山くんの知り合い？」

ここに通うようになって知り合った、常連さんにそう聞かれた



「そぉなんですよ。高校の後輩で、今は同じ楽団なんです」


「そうなんだ。なんか、彼氏とケンカしたらしいよ？」


「初めてのケンカだから、どうしていいかわからなくなって、飛び出してきちゃったんだって」



“彼氏とケンカ”て……


あんだけ 仲良かったんに？


旅行ん時の土産配りながら、“婚前旅行ですか？”言われて、あんな幸せそうに照れ笑い浮かべてたんに？



ケンカて……




「清水？何があってん？」

そう聞いても


「もう…大丈夫です」

の一点張り



「はぁ……送ってくわ。近くに車 止めてるから、ちょい待っとき」

店に清水を残し、車を取りに駐車場へ


この間あった楽団の打ち上げ

あいつも多少は呑んでたけど、酒に飲まれる様な呑み方するとはな




「ほれっ、清水 帰んで？」

フラフラの足取りの清水支えながら


「今度は彼氏とおいでね」

大将の言葉に見送られて、店を出る




清水を助手席に乗せ

「ほい、水」


コンビニで買ったミネラルウォーター手渡して

「家まで送るし。住所 言うてみ？」

カーナビ セットしようとしたら



「…………」

無言の清水


「どないしたん？酒 呑みすぎて、住所 忘れたか？」


「……違います」

即返答してきたってことは、多少は酔いが抜けてきたんか



「先輩、まだ時間 ありますか？」


「おん。大丈夫やけど」


「………」


「少し、走るか？」


「……すみません」



車を走らせ、暫くすると


「合宿、行くなって……言われたんです」


ポツリ ポツリと話し始めた清水

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