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翌朝、私が起きた時にはもう隆二はおらず、テーブルに仕事行ってくるという置き手紙だけが残されたいた。
まだ微妙に熱はあったのだが、丸一日だらだらと過ごしていたおかげで月曜日にはすっかり元気になり、大学を休まずに済んだ。
波「明後日だね、誕生日」
『うん。もう20歳だよ〜。今年もバイト先で迎えることになるけど』
波「いいじゃん、盛大に祝ってもらえるし(笑)」
『まぁね(笑)』
それは本当にありがたいのだが、少し虚しい気持ちにもなる。
波「なにか欲しい物ある?」
『ん〜、特にないかな。別になにもいらないよ』
波「それはだめでしょ!20歳だよ!?一番ちゃんと祝わないといけない日でしょーが!」
授業中だというのに眉間にしわを寄せて机をバンバン叩く波瑠。
『そんな怒んないでよ(笑)』
波「怒るよ!Aはウチの誕生日にすごい高い物くれるのに、ウチが勝手に選んだ安い物あげるわけにいかないじゃん」
『私は稼いでるからさ(笑)』
波「まぁ確かに(笑)とにかく今考えて!」
『え、今!?そうだなぁ…』
急に与えられた課題を、私は黒板にびっしり書かれている文字をルーズリーフに写しながら考える。
しかし本当に欲しい物がないし、高い物で返してほしいから波瑠に高い物をあげているわけでもない。
強いて言うなら家族が欲しい……なんて重たいことは言えない。
『……予算は?』
波「うわ、嫌な質問するねー(笑)頑張って2万ってとこかな」
『まあまぁ高額だね(笑)じゃあ加湿器がいいなぁ。あるじゃん、テーブルに置けるような小さいやつ。5千円もしないしさ』
波「やすっ!」
『友達の誕プレで5千円は高いって(笑)それお願いします!』
波「任しとけ!じゃあ26日に家行っていい?」
『うん。その日で前期終わりだしバイトもないからゆっくりしよ』
加湿器なんてほしいと思ったことがない。
隆二や臣くんが家に来ることが多いから2人の喉のために……という理由でお願いするなんて私はバカ過ぎる。
いや、冬は乾燥するから自分の肌のために買ってもらうんだ!と、私はそう自分に言い聞かせた…。
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キャン(プロフ) - naoさん» お待たせしてすみません(ノД`)また明日更新しますので! (2015年3月1日 21時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 待ってました>_<更新ありがとうございます>_< (2015年3月1日 20時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 大好きなんて言っていただけて嬉しいです(*´▽`*)月曜日必ず更新します(汗)お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - ことさん» お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m月曜日必ず更新します! (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - この作品大好きなんですけど最近更新なくてさみしいです( ; ; )待ってます! (2015年3月1日 0時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャン | 作成日時:2014年12月20日 17時