終わりなき哀しみ２

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だめ。



なにも言っちゃ、なにも聞いちゃだめ。



頭ではそう思ってるのに、






『……ねぇ波瑠、もし彼氏に他の女の名前で呼ばれたらどうする…？』






なんて口が勝手に動いてしまった。



まぁこれくらいは問題ないだろう…。






『…どうする？その場でキレる？』



波「え、なによ急に？まさか彼氏できたの？」



『違う違う(笑)昨日読んでたマンガにそんなシーンがあったからさ』



波「本当？本当に彼氏じゃない？」



『うん、本当に違う』



波「………そっかあぁぁ！」






命懸けると大袈裟に否定した私に、良かったー！と胸に手を当てて安堵の表情を向ける波瑠。



それはどういう意味だ？なぜAにだけ彼氏ができるんだ、ずるいぞ！という嫉妬から解き放たれた顔か？






『…で、どうする？』



波「んー、そうだなぁ…。彼氏がそれにすぐ気づいて謝ってきたら一度は許すかな。よくあるじゃん、先生のことお母さんって呼んじゃったりさ。普段の会話で間違われるのはそれと似たような感じじゃない？」






そうなのか…？



この質問を陣さんにした時私は先生のことをお母さんと呼んでしまうのとはわけが違うと思ったが、波瑠は同じように考えているらしい。私は器が小さいのだろうか。






『じゃあ寝ぼけてたりして気づいてない場合は？』



波「うわ、それはたち悪い。寝言とかで呼ぶってことはその女が本命っぽくない？」



『…うーん、やっぱそうなるのかな』



波「なるでしょ。ウチなら黙ってフルボッコにするかなぁ」



『………そうですか』






波瑠は手を出しちゃうらしいです。まぁ波瑠らしいっちゃ波瑠らしいけど、さすがに私は殴ったりできないな…。



理由も言わず追い出しちゃったけど。






『フルボッコにした後は？その人と別れる？』



波「うん、絶対に別れる。その女が本命とかじゃないにしても、気がある相手だから無意識に呼んじゃうわけでしょ？それが元カノとかだったらフルボッコじゃ済まないよ」



『こ、怖いよ…』






それで済まないなんて、その先はなにがあるんだ？



殴るだけでも犯罪なのに、それ以上したら確実に刑務所行きになってしまうよ。






『………なるほどねぇ…』






さて、これからどうしようか？

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