80 ページ30
.
この日、波瑠は珍しく泊まらなかった。
夕飯を食べてすぐに帰ってしまい、私は静まり返った部屋で１人、カレンダーを眺める。
そんな時、まだ友達いる？という隆二からのLINE。
もう帰ったよと返信し、私はお風呂に入った。
『…………隆二来るのかなぁ…』
夜の出来事を思い出すと、ちょっと恥ずかしくて会いづらい。
なんですんなりと受け入れてしまったんだろう？
別に後悔しているわけではないが、私もたくさんいる遊びの女の中に加わり、彼女さんを裏切っている隆二の共犯者になったと考えると、いい気分はしない。
『………出よっ』
若干吹き出している汗をシャワーで流し、火照った体を拭いた。
そして服を着てドライヤーで髪を乾かす。
『プリンになってきたな。そろそろ染め直そうかな？てかバッサリ切ろうかな？』
ドライヤーの音で掻き消されてしまう独り言。
昔から１人の時はひたすらブツブツと独り言を呟き、寂しさを紛らわしていた。
大人になった今は１人にもう慣れたが、その癖がどうしても抜けない。
『…………ん…？』
一瞬だが、部屋が軽く揺れた気がしてバタンという音が聞こえたような気がした。
ドライヤーを止め、脱衣所から顔だけを出してキョロキョロと辺りを見回す。
『………えっ？』
玄関の方に目をやると、勝手に鍵を開けて入ってきたのか隆二が下を向いて突っ立っていた。
なにしてんの？と聞きながら隆二に近寄ると、どこからかフワッと香るお酒の匂い。
『…お酒飲んできたの？』
隆「……飲んでない」
ずっと下を向いている隆二は、今にも消えそうな声でそう言った。
『そんなとこにいないで、中に入ったら？』
隆「…………お邪魔します」
隆二はやっと靴を脱いだかと思うと、私を勢いよく抱き寄せた。
隆「……………A……」
『え、どうしたの？』
隆「…A………」
理由は分からないが、隆二は何度も私の名前を小さな声で呼び続けている。
その時、私は気づいた。
お酒の匂いは隆二の服から放たれていて、その服がだいぶ濡れていることを…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 790人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャン(プロフ) - naoさん» お待たせしてすみません(ﾉД`)また明日更新しますので！ (2015年3月1日 21時) (
レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 待ってました>_<更新ありがとうございます>_< (2015年3月1日 20時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 大好きなんて言っていただけて嬉しいです(*´▽｀*)月曜日必ず更新します(汗)お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - ことさん» お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m月曜日必ず更新します！ (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - この作品大好きなんですけど最近更新なくてさみしいです（ ; ; ）待ってます！ (2015年3月1日 0時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キャン
| 作成日時：2014年12月20日 17時
