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『……退いてよ』
5分くらい経っても隆二は動こうとせず、おまけに私が逃げ出さないように膝でがっちり腰を固定されている。
隆「いや、退かねぇ。なにしてたか言え」
『知ってるからそういう聞き方してるんでしょ』
隆「じゃあ認めるんだ。24日になってすぐ臣と会って昼に焼肉行って、服買ってもらって夜景見ながらディナーして、それからイルミネーションですか」
臣くん、全部言ってんじゃん…。
隆「んで臣の家に泊まったって?そんなに長く一緒にいてなにもないわけねぇだろ」
『……なにもなかったよ』
隆「嘘つけ。あの臣がなにもしないわけない」
『本当だもん』
冷たい目で私を見下ろす隆二を軽く睨むと、隆二はふーんと言って私の首筋に手を持っていった。
隆「じゃあこの絆創膏はなにかなー」
そう言って絆創膏を思いっきり捲り、私の皮膚は軽くジンジンと痛んだ。
見られてしまった以上、もう猫のせいだという嘘は通用しない。
隆「これ、キスマークだよな」
『……違う』
隆「じゃあなに?」
『…分かんない』
私はその言葉しか頭に浮かばなかった。
それを聞いた隆二は眉間にしわを寄せ、バカじゃねぇの?と言って私の首に顔を埋めた。
『ちょっ…隆二やめてよ…………痛いっ!』
臣くんの時よりも痛みが強く、お腹辺りまで電流が走ったような感覚がした。
『…本当に痛いって……お願いだからやめてっ…』
痛みと恐怖で勝手に涙が溢れ、隆二を離そうと肩を押す私の腕の力もだんだん失われていく。
こんなことなら、あの時ELLYくんに言われたことをすぐに受け入れておけばよかった…。
私のことを好きだと言ってくれて彼女もいなくて、あんな素敵な誕生日を過ごさせてくれた臣くんのことを好きになろうともっと努力していれば…。
隆「………A…?」
泣いていることに気づいた隆二は、優しい時に出す高めの声で私の名前を呼んだ。
隆「……ごめん…泣かせるつもりなかったんだ…」
そう言って指で涙を拭ってくれるあなたを、私はやっぱり嫌いになれない…。
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キャン(プロフ) - naoさん» お待たせしてすみません(ノД`)また明日更新しますので! (2015年3月1日 21時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 待ってました>_<更新ありがとうございます>_< (2015年3月1日 20時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 大好きなんて言っていただけて嬉しいです(*´▽`*)月曜日必ず更新します(汗)お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - ことさん» お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m月曜日必ず更新します! (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - この作品大好きなんですけど最近更新なくてさみしいです( ; ; )待ってます! (2015年3月1日 0時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャン | 作成日時:2014年12月20日 17時