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『………ただいまぁ』






鍵が開いている自分の家にそっと入る。



電気がついているリビングには、隆二がソファーに座ってテレビを観ていた。






隆「おかえり」






隆二はチラッともこっちを見ず、怒っている時に出す低い声でそう言った。






『………うん、ただいま』



隆「勝手に風呂借りた。さっき入ったとこだからまだ熱いと思う」



『…じゃあすぐ入ってくるね』






私は身に着けているアクセサリーを外し、テレビの横に置いてあるガラス製のトレーに優しく置いた。



そして着替えを持ってお風呂場へ行った。






『……お湯……最高…』






雨のせいで最高に寒かった外を歩いて冷え切っていた体が、ジーンと痛みを伴いながら温まっていく。



濡れてしまった絆創膏を剥がし、私は口までじっくりお湯に浸かった。



そして体が冷えないうちに服を着て、髪の毛を軽く乾かしてからリビングに戻った。






『……食器、置いといてくれてよかったのに』






水切りかごにきれいに並べられた食器に目をやる。






隆「作ってもらって食器まで洗わせるのは悪い」



『……ありがとう』






意外にそういうところも優しいんだなと思いながら、こっそり鞄から新しい絆創膏を取り出して洗面所で首に貼る。



どうしたのか聞かれたら、陣さんに言ったように猫だと嘘をつけばいい。






隆「A、早くこっち来い」






リビングから大きめの声で隆二に呼ばれ、私はお店でしたように髪の毛を前に流して鏡で確認をしてから戻った。






『なに?』



隆「いいから早く」






さっきより低い声でそう言うと、私をベッドへと投げ飛ばした。



驚いて固まっている私の上に隆二が跨り、睨みを利かせた目つきで私を見下ろす。






『………ど、どうしたの?』



隆「どうしたのじゃねぇよ。お前昨日なにしてた」



『……昨日?』



隆「どこで誰となにしてたんだよ」






そうやって聞くということは、臣くんと一緒にいたのを知っているということだ。



でも私は隆二と付き合っているわけじゃないし、隆二には彼女がいるのだから怒られる筋合いはない…。

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キャン(プロフ) - naoさん» お待たせしてすみません(ノД`)また明日更新しますので! (2015年3月1日 21時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 待ってました>_<更新ありがとうございます>_< (2015年3月1日 20時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 大好きなんて言っていただけて嬉しいです(*´▽`*)月曜日必ず更新します(汗)お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - ことさん» お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m月曜日必ず更新します! (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - この作品大好きなんですけど最近更新なくてさみしいです( ; ; )待ってます! (2015年3月1日 0時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キャン | 作成日時:2014年12月20日 17時

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