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『本当にありがとうございました!』



ママ「どういたしまして!気をつけて帰るのよ」



『はい!ではお先に失礼します』






閉店してすぐ、私は陣さんにもらったプレゼントを両手に抱えてお店を出た。



バッグと財布が入った大きな紙袋と100本の花束、そして自分のバッグを持って歩くのは大変で、おまけに花束のおかげで前が見えにくい。









「……なに、その大荷物」






そう言って笑う声がどこからか聞こえ、花束をできるだけ下げて視界を広げる。



するとお店の壁にマスクと帽子、サングラスをつけている男の人がもたれかかっていた。







『…なんだ、臣くんか』



臣「なんだってなに?俺じゃだめだった?笑」



『ごめん、そーゆうつもりで言ったんじゃない』



臣「分かってるよ(笑)今日は遅かったね」






臣くんはひょいと花束を持ってくれて、一気に身軽になった私はふぅ…と息をついて並んで家まで歩く。






『まさかずっと待っててくれたの?』



臣「まぁね。1時間くらいこの辺うろうろしてた」



『え、こんな寒い中1時間も外にいたの!?風邪ひいちゃうよ』



臣「そうなったら看病してもらうから(笑)で、この花束はなに?」






臣くんは不思議そうな顔で聞き、よいしょっと言って花束を持ち直した。



ほぼ同じタイミングで、私は肩から落ちそうになっているバッグの紐をかけ直す。





『お客さんにもらった誕プレ』



臣「え、誕生日って…。23日?それとも今?」



『今だよ(笑)イブが誕生日なんだぁ』



臣「マジかよー…」






もっと早く言えよ!と言われ、私はなぜ怒られてる?と疑問に思い首を傾げる。






臣「俺もなにかプレゼント用意したのに」



『別にいいよ。申し訳ないし』



臣「でも20歳だろ?ちゃんとお祝いしたいじゃん」






みんな同じようなセリフを言う。



20歳だから盛大に、20歳だからちゃんと…って、そんなに強調することなんだろうか?






『なにかしてほしくて言ったんじゃないから(笑)本当に気にしないで』



臣「無理。俺が祝ってあげたいって言ってるんだから黙って祝ってもらえ(笑)」






なに、その上から目線…。



でも施設の人や友達、お客さん以外の誰かに祝ってもらったことがないから内心嬉しい…。

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キャン(プロフ) - naoさん» お待たせしてすみません(ノД`)また明日更新しますので! (2015年3月1日 21時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 待ってました>_<更新ありがとうございます>_< (2015年3月1日 20時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 大好きなんて言っていただけて嬉しいです(*´▽`*)月曜日必ず更新します(汗)お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - ことさん» お待たせしてしまってすみませんm(_ _)m月曜日必ず更新します! (2015年3月1日 10時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - この作品大好きなんですけど最近更新なくてさみしいです( ; ; )待ってます! (2015年3月1日 0時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キャン | 作成日時:2014年12月20日 17時

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