僕らのイケメンな姫２

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EL「おはようございます！」

岩「…おはようございまーす」




直人と直己さんとレコーディングの話をしていると、朝からテンションが高いELLYと今にも寝そうな岩ちゃんが揃って入ってきた。

岩田さん、目を閉じたまま歩いていたら転びますよ？




己「岩ちゃん起きてる？笑」

岩「…家を出る直前まで寝てたんで頭はまだ起きてないっす」




なので10分だけ寝ます、と言って私の隣に座って机に顔を伏せた岩ちゃん。

しかし彼は目を閉じたままバッと顔を上げ、




岩「………あれ、Aの匂いがする…」




なんて言って鼻をクンクン動かし始めた。

その姿は完全に寝ぼけている子犬(まぁ子犬っぽいのは顔だけであって全体を通して見てみると新種の特大型犬)のようで、ゆっくりその顔を私に近づけてくると彼は急にパチッと目を開けてにこーっと口角を上げた。




岩「……あ、Aだぁ」




おいおい、この人大丈夫か？




『…ち、近いんですけど……』

岩「うわ、Aの声だぁ」




ダメだ。彼は目は開いているが脳は寝ているらしい。

それを証拠に私の頬には彼の唇がぶちゅっと押し当てられていて、腕はガッチリとお腹に巻きつけている。


最低だな、この変態犬。









臣「………おい、なにしてんだよ岩田」

岩「あ、やばっ」




楽屋のドアが開いた途端に登坂さんのドスのきいた声が響き渡り、それに恐怖を感じたのか咄嗟に私から離れた変態犬は何事もなかったかのようにスマホをいじり出し、なんで昨日休んだのー？と必死に平然を装って私に話しかけている。

そんなにビビるならはじめからしなきゃ良いのに。




岩「A−、今日の仕事なんだっけ？」

『雑誌の取材ですよー』

臣「こら、普通の会話して誤魔化すんじゃねぇよ。Aも嫌がれバカ」


『え、すみません』




いやいや、なぜ私が怒られなきゃいけないのだ？

私から頬にキスしてくれと頼んだわけではないし、相手は岩ちゃんなので嫌がったところでやめてなんてくれない。


あなたが来てくれて助かったと思っていたのに、怒られるなんてガッカリだよ。




『……臣くん嫌い』

臣「はぁ！？なんでそうなるんだよ！」

岩「残念ですね、臣さーん」


臣「うるせぇ」

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