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臣「なんで俺が怒られなきゃいけねぇんだよ。悪いのは全部Aだろ。俺はただなにを隠してるのか教えろって言ってるだけじゃんか」




さっさと言えよ…と額に青筋を浮かべている臣くんは、背中を壁に貼りつけて座り込んでいる私の前にしゃがんで睨んできた。

私にとってこの人は隆二くんよりもよっぽど恐ろしい…。




己「臣、そんな強引な聞き方したらAだってなにも言えないだろ。ちょっとはAの気持ちも分かってやれよ」

臣「Aの気持ちを分かれ…?なにも教えてくれないのになにを分かれって言うんですか。そんな事言うなら直己さんが教えてくださいよ」

己「……俺はなにも知らない」


臣「…下手くそっすね、嘘つくの」




もうやめてよ…。

私はどうしたら良い?どう行動したらマシな方向に行く?それか、逆に最悪な状況に持っていって一度終わらせようか。


うん、そうしよう…。




『…臣くんいい加減にしなよ。これはウチだけの問題やし直人と直己さんは本間に関係ないねん」

臣「じゃあさっさと自分の口から説明しろよ」


『それは無理。本名と出身地を隠してる理由を言ったところでウチもみんなも損しかせえへんし、大阪出身の大倉Aっていう人間はもうとっくの昔に死んだ。だからみんなは京都出身の歌川みあかっていう人間しか知らなくて良い』




そう、私はもう死んだ。

あの時、両親がいるあの世へと消えたんだ。




直「……A、もう良いよ。もうなにも言わなくて良いから」

『大丈夫、これ以上は言う事がないし。今日の仕事はもう終わりやろ?じゃあお先に失礼します』




そろそろ口を閉じないと余計な事までペラペラと喋ってしまいそうだったので、私は臣くんと数秒睨み合った後勝手に帰った。



直人と直己さんも私の秘密は背中の事しか知らない。

どうして彫られる事になったのか、それを彫ったのは誰なのか、そして誰に殺されるのか、彼らも詳しい事はなにも知らないのだ。


なのに、この場ですべてを言う必要はあるか?こんな態度の臣くんに話したところでなんになる?




私の本当の姿を打ち明けるのは、きっと今じゃない。

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美紀 - GENE大好きで涼太くんとあらんくんとれおくんよりのオールです最高です三代目は臣君と岩ちゃんと今市君寄りのオール担当です最高です (2019年7月9日 18時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - Howckさん» 分かってるよ(笑)ごめん、伝わりにくいボケで…← (2014年12月25日 19時) (レス) id: 9eec0dec6d (このIDを非表示/違反報告)
Howck(プロフ) - キャンさん» 歌詞やで歌詞(笑)この支配からの卒業〜♪やで(笑) (2014年12月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 652c803a1f (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - Howckさん» 支配されてんのか!?笑 (2014年12月25日 18時) (レス) id: e654d782e3 (このIDを非表示/違反報告)
Howck(プロフ) - キャンさん» 支配からの卒業やで(笑) (2014年12月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 652c803a1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キャン | 作成日時:2014年11月29日 9時

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