Paranoia【短編集】３

俺のって印【登坂広臣】 ページ24

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俺の彼女は。






『ねぇ臣くん、マリカして遊ぼ？』






とか、






『……眠い。ベッドまで抱っこして…？』






とか、






『あ、このぬいぐるみ可愛い！ねぇ、これ買っても良い？』






とか、とにかく子供みたいでめちゃくちゃ可愛い奴。

たった２つしか歳が離れていないというのに、ここまで可愛いともうすぐ三十路になる俺にとっては自分の子供みたいに思えてくるし、なんでもやってあげたいだなんて母性本能まで生まれつつある。


俺こんなタイプじゃなかったのに、こいつに出会ってから変になってしまったらしい。








『ごめん臣くん、ファスナー上げてくれない？』

「ん、いいよ」




そんな可愛い彼女は、どうやらこれから俺を置いて高校の同窓会に行くらしい。


普段はメイクなんて軽くしかしていないし、服装だって露出度が低いから本当に中学生としか思えないA。

でもコイツはこういう時だけ程良い濃さのメイクをし、茶色い髪を綺麗に整えて寒色系のセクシーなドレスを身に纏い、まるで別人だと思うほどまでに大変身する。


その姿は、さすがの俺でもドキッとしてしまうほどの色っぽい大人の女だ。




「…お前、こんな格好で同窓会行くわけ？」

『うん。なに？どっか変な所ある？』

「変な所はない。ただ可愛過ぎて無理」


『無理ってなによ、意味分かんない(笑)てかいつになったら上げてくれるの？』




ソファーから立ち上がったものの一向にファスナーを上げようとしない俺に、Aは“早くしてよ〜”と苦笑いを浮かべる。

俺、その少し困ってるような感じのお前の顔がたまらなく好きなんだよね。




「…あー……だめだ、行かせたくねぇ」

『え、急にどうしたの』

「急じゃねぇよ、朝からずっと思ってた。だってこんなイイ女絶対に他の男が放っておかねーじゃん」


『そんな事ないよ(笑)それにこの前友達の結婚式に行った時だって、何事もなく帰ってきたでしょ？』


「…まぁそうだけど。でも今日のAは絶対お持ち帰りされる」

『なんでよ(笑)私が他の男の誘いにホイホイついて行くわけないじゃん、まったく臣くんは心配性だなぁ』




そりゃ心配にもなるわ。

俺がもし同窓会に行ってこんな顔も体もえろい元同級生に再会したら、絶対その場で口説き落としてトイレで一発やってるかもだし。

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