Paranoia【短編集】３

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ちょ、マジで邪魔なんだけど。




さすがにみんなが頑張っている作業をなに一つ手伝わず、狭い廊下でゴロンと寝転んで抱き合っていたらそんな苦情も飛んでくるわけで。

お前ら公の場でなにしようとしてるんだ？と笑う変態男子もいれば、あんた隆二くんと付き合ってないでしょ？と言いたそうな怖い目を向けてくる女子もいて、私は咄嗟に隆二くんから離れた。


これ以上ここでくっついていたら、いつか爆弾が落ちてきそうな気がする。




隆「…チッ」

『え、舌打ち？笑』


隆「だってー…、せっかく良い気分になってたのに邪魔されたら腹立つだろ」




いやだから、邪魔をしてたのは私達の方だからね。




隆「…あっそうだ、今日俺の部屋来る？さっきの続きはその時って事で」

『いえ行きません、絶対に』




なんでそういう発想になるのか教えてくれますか今市さん？

やっぱりこの人は、女とあんな事やこんな事をしたいだけのイケメンの皮を被ったただのド変態のようです。








『………？』




まあまぁ、この変態は放っておくとして…。

なんかさっきから誰かに物凄く見られているような気がして、それがどうも気になった私は知らない人から受け取った赤色のついている筆を持ったまま立ち上がった。


……誰だ、どこから見られてる…？






『………あ…』


隆「ん、どうした？」

『……いや、べつに』




私をじっと見ている人。

それは恐らく、今教室の中でなにやら作業をしている世界一イケメンの(これは私の個人的意見←)登坂広臣、通称臣くんだ。


顔は厳ついけど笑顔が可愛くてお茶目な所がある隆二くんとは違って、厳つくはないけどいつも眉間にしわを寄せていて、あまり目立つ行動をしない静かな人。

全然違うタイプの２人だが、同じくらい女にモテている(と思う)。




『……えっ』




ちょ、なに？

今の私の解説が聞こえちゃった？なんか臣くんこっちに来たんだけど…！




臣「おい、お前」

『…は、はぃ』


臣「俺の前で隆二とイチャイチャすんな。腹が立つ」


『……は…？』




いやいやまったく意味が分からない。それはどういう事？

隆二くんの事が好きだから私に嫌悪感を抱いてる？それとも私に気があるから隆二くんと抱き合った事に嫉妬？


……はは、どっちもありえねぇ←




『……なんかすみません…』

臣「…ちっ、マジで気分わりぃ。もう俺消えるからさっさと続きどうぞ」


『…え、ちょ…臣くん！』




うわ、益々謎だ。

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