Paranoia【短編集】２

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イライライライラ………。



半ば強引にキスをしてきた岩田さんを押し退けた私はそそくさとみんながいる席へ戻ってきたのだが、少し遅れて戻ってきた岩田さんが私の事を２つ隣からずっと見ているので最高に機嫌が悪い。

それに加え私の隣に座っている佐々木さんも相変わらず鬱陶しくて……、だいぶお酒を飲んで酔払ってしまったのか先程よりも絡みが濃いような気がする。


肩と肩が完全に触れていますけど。




『……佐々木さんそんな飲んで大丈夫ですか？ちゃんと帰れます？笑』

佐「うん、大丈夫大丈夫！Aちゃんが送ってくれるって信じてるからー(笑)」


『え、勘弁してくださいよ(笑)』




あんたなんかどこかのゴミ捨て場で朝まで寝てれば良いんだよ。




『じゃあそろそろ帰ります？みんな結構お酒入ってるし明日も仕事なんで』

佐「えー、俺はまだAちゃんと喋りたーい！」

『ちょっと、なに子供みたいな事言ってるんですか(笑)』


佐「いやいや、俺まだ10歳の子供だよ？だからこんな事しても許されるんだよー」

『え？………きゃっ…！』




ありえない、この人急に真顔になったかと思うとガッツリ私のお尻を触ってきやがった…。まさか本当は酔ってない…？

やばいどうしよぅ…、こんな痴漢みたいな事されるの初めてだから怖過ぎて声が出ない…。


誰か…、誰か助けて……！






岩「…おい、なにしてんだよオッサン」

『………えっ？』

岩「Aは俺の女だから気安く触んじゃねーよ。セクハラで訴えるぞ」


『……岩田さん…』




なんなのよ、こいつ…。

さっきは呼び捨てなんかしてなかったくせに急に“A”だなんて言って、しかも俺の女に触るなって…。




佐「…なんだよ岩田、文句あんのか？俺はお前の上司だぞ」

岩「だからなに？俺の女に手ぇ出す奴は上司だろうがなんだろうか許さねぇ」


佐「はぁ？お前とAちゃん初対面だろ。しかも一言も喋ってなかったじゃんかよ」

岩「ついさっき俺の女になったんだよ。てかあんた奥さんいるっしょ？明日この事奥さんに言いつけるから」

佐「え、ちょ、それだけは勘弁…！」


岩「知らねぇよ変態野郎。ほらA、行くぞ」

『え？ちょっと待って…！』




目の前で繰り広げられている佐々木さんと岩田さんの言い合いに見入ってしまっていた私は、急に岩田さんに手を掴まれて立たされた事に本気で驚いてしまった。

本当になんなのよ……。

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