Paranoia【短編集】２

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「A開けろ、そこに臣がいるのは分かってるんだからな！２人とも今何時だと思ってんだよ！」




何十回も鳴らされたインターホンを無視していると今度は私の携帯に電話がかかってきて、無言でそれに出ると耳を塞ぎたくなるほどの大声でそんなお怒りの言葉が放たれる。

それは玄関の前で叫ばれている為電話だけでなく近距離からも聞こえてきていて、近所迷惑になっているであろう兄のお説教は直接耳にも入り込んでくる始末。


彼はなぜ広臣がまだここにいる事を知っているのだろうか？




『……ねぇ、これちょっとヤバくない？』

臣「…大丈夫だって。あいつここの鍵持ってないんだろ？それに近所の人に三代目の今市隆二が玄関叩いて叫んでるなんて知られたら一生の恥だからすぐにやめるよ」


『そうかな……』

臣「そうそう。説教なんかあとで受けるから今は俺だけに集中してろ」

『……ああぁっ…』




隆二なんか放っとけ、なんて笑いながら私の中へと自身を沈めてきた広臣。

相変わらず着信とインターホンは鳴り響いているけれど、付き合って３ヶ月半も経った今やっと彼と繋がる事ができたという喜びが大き過ぎてお兄ちゃんの事なんかまったく気にならない。


久しぶりの行為は、相手が広臣という事もあってかとてつもなく気持ちが良かった。




『…あっ……ひろ…おみ………激しぃ…』

臣「…だからっ、加減できないって……言ったろ」




広臣の素早い腰の動きは、今までお兄ちゃんのせいで相当我慢していた事を窺わせるほど激しいもので…。




『……んんっ……も、もう無理……っ…』




たまに顔や首にポタッと落ちてくる広臣の冷たい汗で自分の体を冷やしながら、私はそんな彼に必死についていった。









ピーンポーン

ピンポンピンポーン…






しかしインターホンは一向に鳴り止まず、




臣「……マジうっさい」

『……ね…』




気にしないと言いつつも、さすがに10分以上も鳴らされていてはイライラしてくるのも仕方がない。

怒鳴り声ははじめの一度だけだったが、インターホンの音もまあまぁ近所迷惑になるのだ。




臣「……俺ももうやべぇしそろそろ終わらせるか。壊れるなよ…？」

『え、ちょっと待っ…………ああぁんっ…』




うるさいお兄ちゃんのせいで、広臣は本当に私を壊す気ではないか？と思うほど激しく突いてきた。

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