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なんでよ……?






正門に立っている人が誰なのか気づき思わず足を止めてしまった私の背中を、波瑠がなにしてんのよー!と呆れたように言いながら後ろからグイグイ押してきて、それによってとうとう彼の目の前まで来てしまった。



しかし近くで見てもやはりその彼は臣くんには見えず、私の目がおかしいのか?なんて思ってよく目を凝らしてみたのだか、何度確認しようが結果は同じだった。






「…バカ、おせぇよ」



『………っ…』






あぁ、私の大好きな人の声だ。






波「………あのぉ、Aさん」



『…なに』



波「………Aさんの彼氏って……、三代目の今市隆二です……とか言わないよね……?」



『…彼氏ではないけど、この人は確かに三代目の今市隆二さんですよ』



波「…は……………はははははっ」






私の発言に驚きすぎたのか、冗談やめましょ?と言いながら気持ち悪い笑い声を上げる波瑠。



彼女は私の真後ろにいるのでさすがにこの近距離で彼が誰なのか気づかないわけがなく、他の人に聞こえなければいいやと思い小声で本当のことを打ち明けた。



そう。卒業式の日に私を大学まで迎えてきたのは絶対に来ると言っていた元彼の臣くんではなく、私がずーっと好きだったあの隆二だったのだ。



冷静に波瑠に言ったけど、こう見えても結構パニック状態に陥ってるんですよ。






『……なんで隆二がいるの』



隆「なんだよ、俺じゃ不満か?」



『そうじゃなくて!………だって臣くんが…』



波「え、臣くん!?臣くんってあの臣くん!?」



『ごめん波瑠、ちょっと黙ってて』



波「あ、ごめん」






そりゃ波瑠が驚くのも無理はない。



2年前自分の置かれている状況を相談した時は、私が三代目の人達と知り合いだということや彼氏が臣くんであるということ、そして隆二と体だけの関係を持っているなんてことは一切言わなかったのだから。






『波瑠、本当にごめん。今日はこれで…』






今度ちゃんと説明するので、今日はなにも見なかったことにしていただきたい。






『彼とこのままここで話してるといろいろ危険だからさ』



波「…うん、そうだよね。じゃあまた連絡して」



『分かった。ありがとう』






いい友達を持ったな、私は…。

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水澄柊香(プロフ) - キャンさん» じゃあ陣さんの愛人に…((( (2015年5月9日 16時) (レス) id: bc7e7b2bbc (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 本間ですか!ありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。 (2015年5月7日 23時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - 最高でした。 (2015年5月7日 23時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 涼さん» ありがとうございます!もっと面白い絡みがあってのイチャイチャを書きたかったのですが、文字数が足りなさすぎて全然でした(´Д`)短編で隆二くんの話を考えときますね! (2015年5月7日 22時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうごさいます!残り僅かで、充分イチャイチャしてました!隆二と幸せになってくれて本当に嬉しかったです。ずっと読み続けてきて良かった。続編でも別のお話でも、私は隆二推しでキャンさんの書く隆二が好きなので、また隆二作品を期待してます! (2015年5月7日 22時) (レス) id: e56153c529 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キャン | 作成日時:2015年3月6日 10時

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