検索窓
今日:5 hit、昨日:19 hit、合計:510,480 hit

145 ページ45

.




「はい、チーズ!」






なんの問題もなくつまらない卒業式が終わったあと。



私は同級生達と最後の教室での時間を過ごしていて、お腹が空いているというのも忘れてこれまた最後の思い出作り、つまり撮影会をしている最中だ。



もちろんその場には仲良くしてもらっている橘くんもいるわけで、






「橘と豊川、よかったら2ショット撮ってやろうか?」






なんて、私の事情をなにも知らない波瑠以外のみんなはバカみたいな冷やかしをしてくる。



そういう年頃なんでしょうかね、みなさんは。






波「だめだよー。Aには嫉妬深い彼氏がいるから2ショットなんて撮ったら橘くん殴られちゃうかも」



橘「え、それマジ?笑」



『ちょっと波瑠、勝手なこと言わないでよ!橘くん大丈夫、彼氏もいなければ誰かに殴られることもないから写真撮ろ』



波「あーぁ、ウチ知らなーい」



『波瑠はもう黙ってて(笑)』






言っとくけど、臣くんは私が男友達と写真を撮ったくらいで怒ったりしないよ。



…多分ね。






波「…さて、そろそろ帰りましょうか。また明後日みんなで集まってバイキング行くんだからさ」



橘「そうだね。とりあえず今日は解散しよっか」



波「そうと決まればAちゃん、さっさと帰る準備して!」



『え、あ、うん…』






“早く行かないと帰っちゃうかもしれないよ!”



そう私の耳元で囁いた波瑠は用事があるのは私なのになぜか自分のことのように焦り出し、遅い!もうこれからトロ子って呼ぶから!なんてわけの分からない発言をして私を急かし始めた。



正直言って、あんまり行きたくないからゆっくり準備してるんだけど……。





























『……嫌だ…』



波「は?なに言ってんの?」



『だって会ってもなに話したらいいのか分からないんだもん…!』



波「あんたは迎えに来てもらう立場なんだからあっちに任せておけばいいの。ほら、あそこ人が集まってる」



『えっ…』






あそこ、と波瑠が指さした正門の方は確かに以前臣くんが来た時と同じような光景が広がっていて………、この人混みに紛れてこっそり帰ってしまおうか?という思いと本当に来てくれたんだという思いが複雑に混じり合う。



しかしサングラスをかけて正門にもたれかかっているその人物は、






『……なんで…?』






…私が思っている人ではなかった。

146→←144



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (322 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1031人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

水澄柊香(プロフ) - キャンさん» じゃあ陣さんの愛人に…((( (2015年5月9日 16時) (レス) id: bc7e7b2bbc (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 登坂ゆずさん» 本間ですか!ありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。 (2015年5月7日 23時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
登坂ゆず(プロフ) - 最高でした。 (2015年5月7日 23時) (レス) id: 2793cf6666 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 涼さん» ありがとうございます!もっと面白い絡みがあってのイチャイチャを書きたかったのですが、文字数が足りなさすぎて全然でした(´Д`)短編で隆二くんの話を考えときますね! (2015年5月7日 22時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうごさいます!残り僅かで、充分イチャイチャしてました!隆二と幸せになってくれて本当に嬉しかったです。ずっと読み続けてきて良かった。続編でも別のお話でも、私は隆二推しでキャンさんの書く隆二が好きなので、また隆二作品を期待してます! (2015年5月7日 22時) (レス) id: e56153c529 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キャン | 作成日時:2015年3月6日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。