終わりなき哀しみ３

122 ページ22

.




あれからなんだかんだで剛典は飲み続け、結局寝落ちしてしまってELLYくんが送っていくという状況になった。



そして私は臣くんに送ってもらったわけだけど、






臣「……外でなにしてたんだよ？隆二と…」






と、若干恐れていた事態になってしまって私は困り果てている。



臣くんには隆二と一緒にいたことが完全にバレているようだ。






『…べつになにも。ただ少し喋ってただけだよ』



臣「なんの話？」



『え、なんのって……』






特に隠さなければいけない内容ではないのだろうが、どの部分を伏せてどの部分を言うべきか迷う。



はてさて……、なんて言おうか？






臣「なに、俺に言えないようなこと？」



『そうじゃないよ。でもそんな大した話じゃないから』



臣「…ふーん。ならいいけどさ」



『……うん…』






臣くんって意外に嫉妬するタイプ？



いや、これは嫉妬とは言わないか。自分の彼女がややこしい関係にあった男と２人きりで外にいたというのは普通の人間なら心配するものだし、なにを話していたのか聞き出そうとするのも当たり前だ。



まぁ私は気が弱いので、もし自分が臣くんの立場だったら聞きたくても聞けないだろうが。






臣「…てかさぁ」



『ん？』



臣「Aの彼氏って20歳の大学生だっけ？笑」



『う、うーん……、そうですね(笑)』






あなたが付き合っていることを言わないでおこうって言ったんでしょ。そうなると彼氏は同い年の大学の友達としか言いようがないじゃないですか。



なのに、なんで私は若干責められてるのだろうか？






『臣くんだって高校の時の元カノって言ってたじゃん』



臣「それは仕方ないだろー。どっかのキャバ嬢なんて言えないし(笑)」



『べつにキャバ嬢って言わなくても、もっと他にあるでしょ(笑)』



臣「いやいや、大学生なんて言ったらAだってバレるかもしれないじゃん」



『あぁ、確かに』






メンバーのみんなは私と臣くんがクリスマスイブを一緒に過ごしていたことを知っているらしいので、大学生だなんて言ったら真っ先に私だと思われる。



隆二が暴露しなかったのは本当に奇跡だな…。

123→←121

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す