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あの後すぐヒロさんとタクシーに乗り込んで手術を受けたクリニックに来たのだが…、
医「だからあれほど言ったでしょ」
と、ただいま私は先生にこっぴどく怒られている。
診察と手術の時はあんなに優しくて逆に能天気な人だなーと思っていたのだが、全力疾走して傷口が裂けたとなるとさすがの先生でも怒るらしい。
まぁ当たり前だが…。
『…すみません(笑)』
先「あのね、笑い事じゃないよ」
『はい、すみません』
先生怖いっす。
先「もう次こんな事になったら、抜糸できる状態まで入院してもらいますから」
『いや、それだけはご勘弁を!』
先「だったら安静にしててください」
たったの1ヵ月なんですから、と低い声で言いながら真っ赤に染まってしまった包帯とカーゼをササッと外す先生。
当たり前だが私はそれに対して小さく返事をする事しかできず、パックリと開いている傷口が縫い直されていくのをボーッと眺めていた。
そこは皮膚の内側がもろに見えているのだからエグいと言う他なかったが、恐らくこんな光景は一生見る事ができないと思うので嫌というほど目に焼きつけてやった。
・
『………ありがとうございました』
先生に言われた通りおとなしくしていたら必要なかったであろう余計な治療費を払い、お大事にーと作り笑いで言った受付のお姉さんに若干イラっとしながらも軽く頭を下げてヒロさんとタクシーに乗り込んだ。
受付のお姉さんは物凄く美人で今すぐにでも連絡先を交換したかったが、人の事情を知らないとはいえあんな作り笑顔をされては一気に冷める。
あーダメダメ。バカな事言ってないでさっさと事務所に戻ろう。
『いやー良かった良かった。全開になってなくてー(笑)』
ヒロ「おい、俺は全然笑えないぞ」
『…すみません』
なんか私、さっきからずっと謝っている気がする。
そりゃ傷口が開いたのは自分のせいであり、周りにとんでもない迷惑をかけているので謝るのは当たり前なのだが、そもそも私が全力疾走しなければいけない状態に持っていったのはあいつだ。
私は被害者だ!←
『……とことん迷惑かけてすみません』
ヒロ「もう良いよ。いろんな意味でお前が無事だったんだから」
一時はどうなる事かと思ったけど…と苦笑いを浮かべて私の頭をポンポンッと優しく撫でたヒロさん。
それは大袈裟ではないか?
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片寄えま(プロフ) - キャンさん» ポメラニアン!笑 でもねー耳がデカくてね笑 よくチワワに間違えられるんだよね笑 (2015年4月5日 22時) (レス) id: f67bca3ad1 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 片寄えまさん» マジか(笑)なに飼ってるん? (2015年4月5日 22時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
片寄えま(プロフ) - 私も犬飼っててね、臣くん並みにいや、臣くん以上に親バカだよ笑 (2015年4月5日 22時) (レス) id: f67bca3ad1 (このIDを非表示/違反報告)
キャン(プロフ) - 片寄えまさん» ありがとうございます!え、私の事も好き………?それはさすがに照れますなぁ( ´艸`)頑張りまーす! (2015年4月4日 19時) (レス) id: 4b6fddb3df (このIDを非表示/違反報告)
片寄えま(プロフ) - いつも読ませていただいてます!スッゴくこの小説も作者様も好きです!こらからも頑張ってください(*≧∀≦*) (2015年4月4日 19時) (レス) id: dbcb743884 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャン | 作成日時:2014年12月27日 0時