出逢ったことがすべて (ページ9)

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「えっ…これ、いわ、たさん？！」

剛典『そうだよ』

ぜんっっっっっっぜん違う！！！！

髪の毛かっこよくセットされて(当たり前)
カメラ目線でキメ顔を作る彼。

剛典『そんな驚く？笑』

「別人じゃないですか！！」

剛典『そりゃあこれは仕事モードだし』

「昨日とか今日はあんなにチャラく、………」

剛典『……あー、大丈夫。言われ慣れてるから』

「す、すみません……さすがに言いすぎました」

少し気まづい空気が流れる。
チャラいとか禁句だったかな。
…いやでも普通初対面に壁ドンなんかしないし。

剛典『あれ、そういえば俺君の名前知らないや』

「…そうでしたっけ？」

剛典『ねぇ、名前は？』

「日野宮です」

剛典『違うよ、下の名前』

「………A、です。」

剛典『へぇ、可愛い名前じゃん』

「っ、思ってもないこと言わないでください」

剛典『何それ、本気だし』

「い、岩田さんは言い慣れてるかもしれないけど
私は違うんです！！」

そう叫べば一気にすん、とした顔をする。
顔の表情が無くなった…………。

剛典『俺そんな遊んでるように見える？』

「見えます」

剛典『うわ、即答じゃん』

「芸能人なんてそういうもんじゃないんですか？」

剛典『めっちゃ偏見』

そう言うなり私の隣に移動してきて肩を抱いてくる。

「ちょ…っ、何なんですか？！」

剛典『ねぇ、やっぱ俺の彼女なろうよ』

「だから、なりませんって！！」

剛典『何歳？』

「それ今っ、『何歳？』……25、です」

剛典『6つ下か。ちょうどいいじゃん』

「何がちょうどいいって……っ！！！」

反論しようと見上げた瞬間。

バチッと目が合った。
つぶらな黒目に見つめられていると
今すぐにでも吸い込まれそうで。

逸らそうとすれば両頬を包まれ
強制的に目を合わせられた。

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剛典『俺、割と本気なんだけど』

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