出逢ったことがすべて (ページ7)

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takanori

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スタッフ『岩田さん、オールアップです！』

剛典『ありがとうございました！』

やっとの思いで撮り終えた映画。
この何ヶ月間、まともに家に帰ってなかったから
さすがの俺でも疲労が半端じゃない。

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(剛典『あ、人』)

この仕事柄、例え俺の事を知らなくても
一般人には気付かれないように生活しなくてはならない。
だけど、ここを通らなければ家には帰れないわけで。

(剛典『ふぅん、最上階…』)

横目でチラッと見た感じ…25歳？
にしては最上階ってなかなかだ。

すると突然、

「あっ！アキくんにDVD返すの忘れてた！」

と馬鹿でかい声で叫び始めた。
その後もぶつぶつと何か言ってる女。
多分声に出てること、本人は気付いてないパターン。

その時、俺も何でか分からないけど
笑いが込み上げてきて止まらなかった。

「初対面にあんたって………！！！」

あー、そうだよな。
てか、" そっち " って。笑
俺別にヤクザとかそんなんじゃねぇわ笑

『あー、わり』

『この花貰ってくんない？』

『彼女なんて居ないけど』

『なんだ、隣だったんだ。』

『じゃ、おやすみなさーい』

部屋に入ってふと、我に返る。

剛典『見ず知らずの人に何であんなペラペラと…』

多分それは。

剛典『俺の事知らなさそうだったし、』

剛典『………………………痛い』

胸が…………

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剛典『…………はは、やめろよ。一目惚れとか、』

一目惚れなんてろくな事ない。

そんなの俺がいちばんよく知ってんじゃん。

なのに、何故かあの子にだけは…………

剛典『…………くっそ、寝れねぇ』

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