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takanori
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小さい体で一生懸命俺をリビングまで
運んでくれたAちゃん。
ソファーがあまりにも気持ちよすぎるから
一瞬目を閉じれば睡魔に襲われた。
(剛典『やばい…このままじゃ…』)
そう思っていたら水を取ってきてくれたのであろう
Aちゃんが戻ってきた。
「寝顔までも綺麗なんですね……」
寝たと思われてる……!!!
それだったら寝たフリするしかないか、と
腹を括ったら右手が握られた。
(剛典『っ、』)
「あと4日かあ………寂しいなあ………」
(剛典『え…………』)
" 寂しい "
確かにそう聞こえた。
(剛典『そんなこと思っててくれてるんだ』)
心のなかでガッツポーズ
なんだ、少しは俺に心開いてんじゃん。
でもそれは同居を始めてからなんとなく勘づいてはいた。
目に見えて笑顔が増えたり、
いつの間にかお出迎えは当たり前になっていて
食事も用意してくれるようになっていた。
朝の " おはよう " も寝る前の " おやすみ " も。
" いってきます " も " いってらっしゃい " も。
" ただいま " も " おかえり " も。
全部がいつの間にか当たり前になっていた。
今まで感じたことのなかった温かみ。
決して、一夜だけの関係じゃない。
身体だけの関係じゃない。
(剛典『やっぱり手離したくない』)
一度味わった温かみに慣れてしまうともうダメだった。
仕事で家に帰れない日があると
Aちゃんの顔が見たくなって電話掛けちゃうし、
Aちゃんの作ったご飯じゃないと何か物足りなくて。
朝、ホテル(ちゃんとしたホテルね)(とは)で
目覚めても隣にAちゃんが居ないとか。
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出逢ってまだ日は浅い。
それでも俺をこんな気持ちにさせてくれた
Aちゃんを手離したくない。
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(剛典『好きだよ、Aちゃん』)
俺の想いはいつ届くのかな ─────────
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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時