出逢ったことがすべて (ページ43)

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「……はっ、私何言ってんだろ」

最初はあんなに警戒してたのに。
いつの間にか剛典さんの前で
笑顔でいる時間が長くなっていた。

「ずるい………ほんとずるいです、剛典さんは。」

剛典さんに対するこの気持ちが何なのか分からない。

いや、気付かないフリをしているだけなのかもしれない。

とりあえずここで寝かせるわけにはいかないから起こさないと。

「剛典さん、起きてください」

剛典『ん…………』

あれ？

剛典『あー、ごめんね。寝ちゃってたか』

え……………？

剛典『ん？Aちゃん？』

あまりにも起きるのが早すぎる。
もしかして……！？

そう思ってしまったらもうダメだ。
次第に顔に熱が集まってくる。

剛典『顔赤いよ？』

「だ、大丈夫ですっ！
あ、水！水飲みます？！」

剛典『あ、うん、ありがとう』

コップを渡す時、少し手が触れた

(「なんでよ…ちょっと触れただけじゃん！！」)

なんでこんなに意識してしまうんだろう。

水飲む剛典さんを盗み見ればいつの日かのように
男らしい喉仏を動かしながら水を流し込む。

(「～～っ！！！！」)

自分でも分かるくらい不自然な視線の外し方。

飲み終えたであろう剛典さんは
息を吐きながら背もたれに体を預ける。

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剛典『Aちゃんさ、いま好きな人いる？』

「えっ、あ、……………」

剛典『瑛くんはナシね。恋愛的な意味での好きな人。』

「……好きってなんですかね、」

剛典『え？』

「いや…誰かを本気で好きになったことが無いから分からないんです。」

剛典『分からない、か……』

じゃあさ、と言った剛典さんは体を起こして私を見る。

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剛典『俺にいま、もう一回好きって言われたらどう思う？』

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