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takanori
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Aちゃんと別々で個室を出て外で待つ。
多少寒いけどAちゃんの為ならこんなのへっちゃら。
……なーんて。柄じゃないこと思ってみる。
(剛典『遅いなあ』)
中を窺えば瑛くんと何やら話すAちゃん。
そこまで俺だって心狭くない。
(剛典『やっぱりここにして正解だったな』)
" あ、月 "
思わずそう呟くとすぐさま反応したAちゃん。
月好きなの?って聞いたら即答で " 好き "
という単語が出てきて我ながら少し焦った。
(剛典『違う違う、これは月に向けてだぞ俺』)
空を見上げるAちゃんの横顔は
月の光で照らされていて俺にしてみれば彼女の方が綺麗。
しばらくしてから満足したのか俺に向き直って
ぺこぺこ謝る。……あーくそ、小動物みたいで
すっげぇかわいい。
「あ、すみません。付き合わせちゃって」
剛典『いーのいーの。Aちゃんの横顔綺麗だったし。』
そう返すとまた顔を真っ赤に染めて視線を彷徨わせる。
こんな映画みたいなクサイ台詞
死んでも言わないつもりだったけど
好きな人の前だと自然と出てくるんだ。
それは多分Aちゃんがあまりにも純粋だから。
見返りを求めてないAちゃんだから言えること。
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そんなこんなで不思議な同居生活が
始まってから一週間と3日。
剛典『ただいまあ……』
「あ、おかえりなさい。お疲れ様です」
剛典『え〜Aちゃん〜?』
「え、はいそうですけど…ってうわ?!」
メンバーと飲んでから家に帰ると
もうお決まりとなったAちゃんの
お出迎えが今日は一段と嬉しかった。
だから、無意識。いや………
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「剛典さん…っ、」
剛典『ん〜〜〜飲みすぎたかなあ〜〜』
「きっとそうです…っ!!離れて!!」
剛典『や〜だ〜』
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思いっきり抱き締めてしまった。
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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時