出逢ったことがすべて (ページ38)

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takanori

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…あれ？
確かに足音聞こえたんだけどな。

気になって後ろを振り返れば
何故かあたふたしているAちゃん。

声を掛ければ、" おお！！" ってなぜか驚かれた。

(剛典『…っ、可愛すぎんだろ…』)

本当は今すぐにでも抱き締めて
" 可愛い " って褒めまくりたい。

でもそんなこと出来るわけが無いから
今ある最大限の理性を掻き集めて我慢。

剛典『行こっか』

何とか動揺を悟られないように、と
思ったけど………。

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剛典『スカート似合ってるよ。めっちゃかわいい』

やっぱり伝えないと後悔する。
そんな気がした。

剛典『あれAちゃん？』

剛典『遅いよ』

………大丈夫。手じゃない。腕だから。
これくらい大丈夫だよね？
あれ、だめ？！

そんな心の問いに答えてくれる人は居ないんだけれども。

俯きながら俺の隣を歩くAちゃんは
当たり前だけど女の子らしい華奢な体で
一生懸命俺についてくる。

(剛典『Aちゃんって守りたいって思わせてくれるんだよなあ…』)

あれ、てかさっき " 綺麗 " って言ってたけど
何見て綺麗って言ったんだろう？

チラッと隣を窺えばちょうどAちゃんも
こっちを見ていたみたいで ──── 。

思いかけず視線がバッチリ合ってしまう。

剛典『ん？なんかついてる？』

「っ、なんでもないですっ！」

勢いよく目を逸らしたAちゃんの顔は
暗くても分かるくらい真っ赤に染め上がってる。

(剛典『………ほんと可愛い』)

「あれ、ここ…」

剛典『最近来てないんでしょ？』

「なんで知ってるんですか！？」

そりゃあ俺はここの常連ですから？
しかも強力な味方がいるからね。俺には。

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" 岩田さん、最近Aに会ってます？ "

" え？何でですか？ "

" いや…あいつ全然顔見せなくて "

" そうなんですか！？ "

" 岩田さんなら何か知ってるかと思ったんすけど… "

" 俺も最近忙しくてなかなか家に帰れてないんすよね…
すみません、力になれなくて "

それにAちゃんはきっとここの方が安心するでしょ？

" デート " は楽しくなきゃ意味が無いからね。

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