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「ここ瑛くんの……」
剛典『やっぱここが一番だよね。それに最近来てないんでしょ?』
「何で知ってるんですか!?」
剛典『さあ?笑 俺の情報網舐めないでもらいたいね』
っ、まただ。
今度は少年のようないたずらっぽい笑み。
剛典『Aちゃん?』
「あ、はいっ」
剛典『なんかぼーっとしてたから。大丈夫?』
「大丈夫です!!元気です!!」
剛典『…ふは、やっぱ面白いや笑』
今日の剛典さんはよく笑う日だ。
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瑛『あーー!!!お前やっと来たーー!!!!!』
開口いちばんに大きい声でそう言われて
思わず耳を塞ぐ。
「いやうるさ!」
瑛『まっじでお前心配したんだからな?!』
「へえ…珍しいじゃん」
瑛『俺じゃなくてがんち ── 『ん゛ん゛っ』あ、』
「ん?」
瑛『いや何でもない。それより何で来なかったんだよ?』
「それは…」
" 剛典さんと鉢合わせしないように "
なんて言えたらどれだけ楽か…!!!!
「…あはは、ちょっと忙しくてさ。色々と。」
瑛『………』
「やめてそんな目しないで」
剛典『もう話しすぎ!!』
「うわっ!?」
瑛『あ、すんません笑』
瑛くんといつもみたいな口喧嘩してたら
隣から腰を抱き寄せられた。
剛典『今日は俺との時間だから邪魔しないでくださいね!』
瑛『はいはい。笑』
…………っ、
剛典『行こ』
そんな高級店でも無いのにスマートにエスコートされる。
それがどうしようもなく擽ったくて。
でも同時に特別扱いされてるような気分になって
ちょっとだけ、ほんの少し嬉しい。
剛典『いつもはカウンターだったから分かんなかったけどここ個室もあるんだね』
「そうみたい。私も入ったことは無いんですけどね」
剛典『何してもバレなさそう』
「語弊が酷い」
剛典『真面目に受け取らないで笑』
「何回も言ってますけど、剛典さんが言うと
現実味ありすぎるんですよ」
頬杖をつきながら私を眺める剛典さんの目が
直視出来ないくらい優しい。
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──────────── かっこいい。
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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時