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takanori


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(剛典『……何やってんだろ、俺』)







開きっぱなしのトーク画面を見つめる。








(剛典『今までこんなこと無かったのに』)







誰かからの返信がこんなに待ち遠しく感じるなんて。









広臣『見すぎだから笑』


剛典『臣さん……俺……』


広臣『そんなに好きなの?』


剛典『…………分からない』


広臣『は?』


剛典『これって好きってことなんすか?』


広臣『は……おい今更かよ……』








深い溜息をつきながら隣に座った臣さんは
俺の肩を抱いてこう言った。








広臣『はいじゃあ思い出してください。
今までの女たちを。彼女たちにLINE送りました。
返信がすぐ来なかったら、" もどかしい " とか
" あの子今何してんのかな "、とか思ったことありますか?』



剛典『…………無い、』



広臣『すぐ来なくても何とも思わなかった?』









答える代わりに頷く。









広臣『じゃあ次。もしだよ?
もし仮にAちゃんの返信が、" No " だった場合。
岩ちゃんはどう思う?』



剛典『………何の用事なんだろうってなります、』



広臣『それが今までの都合のいい女だったら?』



剛典『………何も思わないです』



広臣『ならもう答え分かるんじゃない?』









肩をポンポンと2回叩いて立ち上がった臣さんは
俺を振り返ってにこっと笑った。









広臣『無理にさ、" ちゃんとした恋愛 " しなくてもいいんじゃない?岩ちゃんらしく、ぶつかっていけばいいんだよ。しかもあの子鈍感でしょ?なら尚更じゃん。笑』









" 次登坂さんお願いします!"









広臣『んじゃ俺呼ばれたから行くわ。幸運祈ってるぞ〜』









手をヒラヒラさせながら楽屋を出ていく臣さん。
その後ろ姿を見て呆気にとられる。









剛典『臣さんってもしかして恋愛マスター…?』









でも臣さんのおかげでちゃんと分かった。
俺がAちゃんに抱いている感情は
ちゃんと恋愛の " 好き " ってことなんだ。









───────── ピロン









剛典『…っ、!!』









たった5文字、されど5文字。


なのにこんなに胸が高まるのは


きっと ──────









にやつく顔を最大限に抑えながら、文字を打ち込む。









" 美味しいご飯屋さん知ってるから行こ。 "









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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時

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