出逢ったことがすべて (ページ31)

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takanori

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朝、起きたらAちゃんがあたふたしていて。

" 腕と足…！！ "

そう言われて自分が置かれている状況を
やっと理解する。

(剛典『うわっ、まじか！？』)

何もしないって言ったそばから
しちゃってるじゃん！！

ごめんって慌てて離れれば顔を赤くして
起き上がってベッドの上で正座。

それにつられて俺も起き上がれば感じる微かな熱。

(剛典『なんで俺まで…！』)

剛典『普段抱き枕あるから勘違いしたのかも…ほんっとごめん！』

「いや…」

流れる微妙な空気。
Aちゃんの顔を見ればなぜか笑ってる。…え？

剛典『なんで笑ってんの？』

「顔に出てました！？」

剛典『何考えてたんだよ～！』

ああ、なんかこの感じいいかも。
今までの朝といえば隣には大体
何も着込んでない女が寝転んでいただけ。

こんな風に朝から誰かと笑いあったことなんていつぶりだろう。

あ、あとひとつ言えば。

剛典『見送ってくれるんだ』

「そ、そりゃ一応…」

剛典『ん、ありがとう』

仕事行く前に誰かに見送られる嬉しさ。

ちょっと無茶なお願いをすれば
半分呆れながらもやってくれる。

「いってらっしゃい、剛典さん。」

はにかみながら言葉を紡いでくれたAちゃん。

っ、やばい……………

焦りを悟られないように外に出て
その場にしゃがみこむ。

剛典『あれはずるいだろ…………っ、』

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広臣『よっ、恋多き男』

剛典『ちょっとなんすかそれ！笑』

広臣『どうよ。上手くいった？』

剛典『まぁ………はい』

広臣『だろ～？で、LINEは？』

剛典『え！？』

広臣『交換してなかったんでしょ？出来たの？』

剛典『それくらい俺だってできます！』

広臣『へぇ～？笑』

臣さんに隠し事出来ないな…。笑
LINEを起動させて " A " とのトークを開く。

(剛典『何送ろう…』)

って、俺は乙女か。笑

LINEひとつ送るのに悩む自分に苦笑いして
キーボードを叩く。

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" 今日の夜空いてる？ "

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