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takanori
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剛典『え………何これ………』
あれ…誰かの作ったご飯って
こんなに美味しかったっけ…?
「岩田さん…?」
何も発しない俺に対して少し不安げな視線を送るAちゃん。
あ、違うよ、違うんだ。
剛典『めっ…………ちゃ美味い…………』
「ほんとですか?それならよかったです」
そう言って微笑んだAちゃんは天使のよう。
「ふふ、かきこみすぎじゃないですか?」
剛典『やばい、まじで美味い。Aちゃん天才』
「これくらい誰でも作れますって」
剛典『何皿でも食える』
「褒めても何も出ませんよ」
俺もそれなりに料理は出来るけど
自分で作ってもそこに " 愛 " は無いわけで。
Aちゃんの料理に " 愛 " が入っているかは
定かではないけれどその代わり " 温かみ " がある。
剛典『ご馳走様でした。』
「早いですね…」
剛典『まじで美味かった。ありがとう』
「……いえ、」
剛典『あれ、どうしたの?』
心做しか顔が……………赤い?
剛典『熱?』
おでこに手を当てようとしたら
" 大丈夫ですっ " て避けられた。
剛典『Aちゃん』
「…はい」
剛典『俺やっぱ好き。Aちゃんのこと。』
アプローチの仕方が分からないなら
もう言葉で示すしかない。
.
「私年上じゃないし包容力も無いです。」
剛典『は?』
思わず聞き返せばハッとした顔をして
目を泳がせる。
「いや…っ、」
剛典『何の話?』
「えっと……」
下を向きながら膝の上でぎゅっと拳を握って
もごもごと話し始めたAちゃん。
「さっきたまたまつけてたTVで…その…年上がいいっていう話をしてたから…」
剛典『………へぇ、信じてるんだ』
「だってそうなんですよね?」
剛典『違うよ、タイプなんて理想だから』
そう、理想でしかない。
現に好きになった人は年下なんだから。
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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時