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takanori


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帰り道に臣さんに会ってつい、言葉のあやで
" 彼女 " って言葉使ったら
" 彼女になったつもり無いんですけど " って言われた。


それは分かってるけどさ…堅いよAちゃん…。
でもそんなところが好きなんだけどさ。









その後もAちゃんと口喧嘩みたいな事してたら
" お似合い " なんていう褒め言葉。









臣さんと別れた後、ファーストキスの事に
触れたら分かりやすく慌て出すし
拗ねて先に歩き出しちゃったりとか。





全部が俺のツボを抑えてくる。
ある意味凄いよ、君は。
俺をここまで惚れさせるなんて。









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だけど同時に少し寂しくなってくるんだよね。





本気の恋を今までにした事が無いから
アプローチの仕方が分からなくて
Aちゃんをただ困らせてるだけだって事に
気付いたらどうにもこうにも申し訳なくて。









背中を軽く押せば、" 何で? " って顔するけど何も言わない。
いや、言えないんだ。









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こんなに誰かを好きになったことがないから
扱い方がよく分からないんだ。









俺の顔を見ないように部屋に入ったAちゃんは
今すぐにでも抱き締めたくなるくらいに
小さくて、守りたくなる後ろ姿。
その姿を見届けて俺も部屋に入った。









そのままベッドに倒れ込んで溜息を漏らす。








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剛典『はぁ……………恋ってなんだっけ、』








剛典『…………情けないな、俺』









スマホを取り出して電話帳を開く。





共演したモデル、女優、アイドル…………
電話帳にたくさん登録されている、
所謂 " それだけ " の関係の女。









それらの全てを選択。







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" 消去 "









剛典『ふぅ………』









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なぜだか少し心が軽くなった。









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作者名:かの | 作成日時:2020年10月6日 21時

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