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剛典『どうだった？初キス』
やっぱり…！
「やっぱり反省してないんですね。」
剛典『え？あ、うそうそ！ごめん！』
「ふん、もういいです。帰ります」
剛典『あー！ごめんって！てか帰る場所同じじゃん！』
「ちょ、うるさいです！」
あーだこーだ言いながら結局一緒に帰ってきてしまった。
剛典『まだ怒ってる？』
「…怒ってないです。早く部屋入ってください」
剛典『ほんと？』
そう言いながら肩を掴んでくるものだから
反射的に避けてしまった。
「あっ、すみません…」
剛典『いや、俺の方こそごめん…』
…おかしい。やけに素直だ。
昨日までならきっと、" 慣れてないの可愛い "
とか絶対そんなようなこと言ってくるはずなのに。
剛典『俺だって学ぶよ』
「！！」
剛典『相変わらず漏れてるよ、心の声』
「重ね重ねすみません…」
治そう。私の癖、絶対治す。
剛典『てかAちゃん先入って？』
「え、なぜ…」
剛典『俺が先入った後にAちゃんに何かあったら困るもん』
「…っ、」
剛典『ほら、入って？』
背中をポンと押され、顔を見れば
心做しか寂しそうに微笑んでいる。
何で、何でそんな寂しそうな顔するんですか…？
剛典『Aちゃん？』
「…分かりました。おやすみなさい、」
剛典『…………うん、おやすみ』
なるべく顔を見ないように部屋に入ってその場に蹲る。
.
.
.
「あんな顔されたら………っ、」
「ずるい、ずるいよ…………っ、」
.
認めたくないけど、
少しだけ、ほんの少しだけ
心が揺らいでる自分がいて
たまらなく悔しい。
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作者名：かの
| 作成日時：2020年10月6日 21時
