桜庭と。 (ページ39)

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向井編。ページ39

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次の出番まで少し時間があったから用意してもらった椅子に座って待ってたら突然響いたシャッター音。

「また撮ったでしょ？」

向井『あちゃー、バレてもうたか～』

「ふふ、そんな安くないよ？」

向井『売るわけないやん！観賞用！』

「それもそれでどうかと………」

ただ、康二に撮られるのは意外と好きだから強く言えないのが本音。(笑)ていうかそろそ私の体力が限界かもしれません。

向井『Aちゃん！目線ちょーだい！』

「こう？」

向井『あー！いい！いいよ！かわいい！』

「あはは、なんかやだ～笑」

向井『後でデータ送るね♡』

そうこうしてるうちにやってきた康二との撮影。普段は面白い関西人だけどやっぱ撮影となると一気に雰囲気変わるのがずるいよな～って。

向井『ん！Aちゃんこれ食べて！めっちゃ美味しい！』

「どれ～……って、え？」

割と普通に話しかけてる康二を見るとレンゲに乗った小籠包。これは所謂 " あーん " というやつ？まさか食べろ、ということ？

向井『ん？』

「え、そんな当たり前みたいな顔されても……」

なんと言っても今日の康二は染めたてのオレンジ髪に加え、前髪は下ろし全体的に色っぽく仕上がってる為そもそも直視が出来なくて涼太にちょっぴりからかわれたくらいなんだから。

向井『はよ食べんと冷めちゃうで？』

「あ、う……です、よね、……」

向井『…………口移ししたろか？』

「は、、？！」

舌で唇を舐めて口角を上げる康二に自分でもびっくりするくらい心臓が跳ね上がったのがわかる。そんな私を見てレンゲを置き、椅子を近付けてきた彼が耳元に唇を寄せる仕草をしたから少し仰け反ったら素早く背中に回る手。

向井『Aちゃん、俺の事好き？』

「え？」

向井『しょっぴーとふっかさんよりも好き？』

「………好き、だよ。」

向井『そんなん、…………』