桜庭と。 (ページ30)

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目黒蓮 : 祥吾
桜庭A : 莉琉(りる)

都内のとあるホテルで行われている月曜9時から新しく始まるドラマの撮影。そこには今をときめくスーパーアイドル、SnowManの目黒蓮と三代目JSOULBROTHERSの桜庭Aの2人がいた。

『よくこんな高いホテル取れたよね。』

『莉琉さんの為ならこれくらい余裕っす』

『またそうやって調子いいこと言っちゃって……』

窓際に立つ目黒とソファーに座る桜庭。普段は桜庭にデレデレの目黒も、当たり前ではあるがしっかりと役柄をこなしている。

少しの間が空いた後、ゆっくりと桜庭に近づく目黒。眉を下げ、瞳を潤ませたその表情は捨てられた子犬そのもの。

『いい加減、俺のとこに来てくださいよ』

『またその話？だったらいい加減気付いてくれない？
私とあなたはどう足掻いても結ばれない。』

立ち上がった桜庭は目黒をしっかりと見据え、台詞を言い放つ。身長は断然目黒の方が高いが、今の桜庭には身長などお構い無し。年上としてのプライドを全面に押し出している。そんな桜庭に物怖じしない目黒は一歩近づき、腕の中に閉じ込めた。

『なにすんの、っ』

『だったら力づくで手に入れる。』

『馬鹿な事言わないで、離して』

『…………絶対離さない。』

肩を掴んで見つめる先は唇。ゆっくりと距離は縮まっていき、触れる数センチ。

『………いいの？』

『…………自分の発言には責任持って、』

『っ、……止まんねぇよ、んな事言われたら……！』

激しく重なり合う唇と唇。傍にあるソファーに桜庭を押し倒す目黒は演技とは思えない程鋭い瞳をしている。

『はぁっ、ねぇ名前………呼んで』

『名前？』

『莉琉さん一回も呼んでくれたこと無い、』

『…………祥吾、好き。』

『、！』

名前呼びに加え、一言付け足した彼女に驚いた顔をしながらも舌舐めずりをし完全に獲物を捕えた目付きの目黒。

それからも順調に繰り広げられる熱い演技 ────────────

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『～～っ、！！！』

「蓮くんどうした？」

『ちょ……っとすみません、いま顔合わせらんない、』

「………上手かったよ」

『？！』

「 " 演技 " がね？笑」

『はぁ～～～もうずる！！！』

(「キスも上手かったけどね……笑」)

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