好きがあふれる。 (ページ29)

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妹ページ29

hiroomi

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楽屋を出て向かったのは局の屋上。

Aは何かあるとすぐ屋上に行きたがるからな～笑

ほら、いたいた。

広臣『黄昏タイムですか？笑』

「………おみくん。」

広臣『がんちゃんがよかった？』

静かに首を横に振った。

まぁあんな事があった後だもんな。

そりゃ会いたくないはずだ。

「分かってるんだよ。私はただの幼馴染。
剛典の周りにどれだけ女の人が寄ってきても
私に振り払う権限は無いってこと。」

女性にしてみれば割と低い声をしているA。

今はその低い声が泣きそうですごく切ない。

広臣『……そんな事は無いんじゃない？』

「何言ってるの。彼女じゃないんだよ？」

広臣『でも好きなんだろ？』

Aの少し後ろに立ってた俺はゆっくり近づいて

振り向く前に ──────── 抱き締めた。

「おみく、」

広臣『なぁ、そんなに辛いなら俺にすれば？』

我ながらとてもクサイ台詞ではある。

けど、本心なんだ。

がんちゃんの事を想って弱ってくAを見たくないんだよ。

広臣『……俺ならそんな顔させない。

─────────── 好きだ。』

デビュー当初はがんちゃんの背中に引っ付いてたA。

いつしか、メンバーとの橋渡しは俺とがんちゃんの
役目になっていた。

男7人の中に女1人なんて絶対辛いし、
挫けてもおかしくないはず。

だけどAはいつでも笑顔だった。

その笑顔は俺含めた他のメンバーの活力になってたんだよな。

その声で名前を呼ばれる度に心臓が忙しなく動いて、

耳とか手とか、全身がかあっと熱くなるんだ。

いつぶりかな。一人の女の子にこんなに夢中になったのは。

妹だと思ってたAが、あっという間に成長して

一人の " 女性 " になってしまったから。

首に回した腕に力を込めて

もう一度、 " 好き " と伝える。

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広臣『好きだよ、A。』

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