113.♯ ページ22
涼介side
母親は、真面目で、努力家で、ストイックで、完璧を求める女性だった。
俺が、産まれた時。
彼女は酷く落胆したそうだ。
母親が求めていたのは女の子。
そして生まれた俺は、男。
完璧を求めていた母親の、完璧な人生に汚点を作ってしまった。それが俺の存在。
何歳の頃からかは、覚えていないけど。
朝起きて、夜寝るまでの間、俺はずっと1人ぼっちだった。
お腹が空いても誰もいないし、どこに食べ物があるのかも分からない。
何が食べられるのかなんて判別出来ない、そんな小さな頃だったから。
胸がズキズキ痛んだけど、人と関わることの無かった俺はその感情が何なのか、言葉に表せななかった。
ある日、父親が帰ってきた。
俺が何をしでかしたのか、きっかけはもう覚えていないけど。
その日から暴力が始まった。
押入れに押し込められて、真っ暗な中で泣いた事もあった。
寒い冬に、外の物置に閉じ込められた事もあった。
泣けば泣くほど怒られた。
具合が悪い日は見つからないように自分から押入れの中に入った。
両親が喧嘩していたら耳を塞いで、目を閉じて、見つからないように、息を殺してやり過ごした。
外に出た事がバレると、ご飯を没収された。
父親の友達はよく家に来ていた。
酒臭くて、煙臭くて。
咳をすると、父親が睨んでくる。
酔った父親の友達は俺を見つけると、俺を抱っこした。
あの時された高い高いは、人の温もりに慣れていない俺にはとても恐怖だった。
だから、父親の友達は苦手だし、高いところも嫌い。
母親はたまに家に帰ってきて、いつも俺に酷い言葉を投げかけていた。
それでも、その時の俺は母親が好きだった。
外に連れて行ってくれるし、笑いかけてくれる。
今思うと、良い母親を演じたかっただけなんだと思う。
完璧を求めるからこそ、周囲の目を気にして。
「顔だけは良く産んだ」俺と、完璧な母親が一緒にいる事で、注目の的になりたかったんだろう。
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やまたかLOVE - 次回作も楽しみにしています(*ﾟ▽ﾟ*) (2019年12月27日 15時) (
レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
やまたかLOVE - 完結おめでとうございます！とても素晴らしいお話でした！本当に面白かったです！ (2019年12月27日 15時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
やまたかLOVE - メリークリスマスです！素敵な日をお過ごし下さい(*^▽^*) (2019年12月25日 16時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
やまたかLOVE - 頑張ってください(*^▽^*)応援してます！ (2019年12月24日 21時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
アイノア・リカ(プロフ) - やまたかLOVEさん» 1いに引き続きコメントありがとうございます（ ; ; ）完結出来る様に頑張ります！(*^_^*) (2019年12月22日 8時) (レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイノア・リカ
| 作成日時：2019年12月17日 3時
