Dear.絶対エース【3】

129.大貴(続き) ページ38

急いでくまを持って和室に行くと、涙目の山田にみんなが寄り添っていて。励ましている。




大「山田、これ…」

涼「あ！」

大「ごめん！俺がイタズラで隠したんだ…、ごめんな？」

涼「いや、いいよ。ありがとう大ちゃん」




くまを受け取った山田は優しくそれを抱きしめた。




伊「小さい頃似たようなの持ってたんだって。
急に失くしちゃったらしいんだけど」

大「え…それって」




顔を上げた俺。


伊野ちゃんは口元に指をあて「しーっ」とする。




伊「多分、俺らが買ってあげた奴だよ。
急に失くしちゃって悲しかったんだってさ。
“誰かは覚えてないけど大好きな人に初めて買って貰ったものだったから”って」




伊野ちゃんはそう俺に耳打ちしてきた。




過去の山田と俺たちが繋がっている事に感動すると共に、
ちょっとした出来心で山田を泣かせてしまった事を後悔する。




大「山田ぁ、ごめんんんん」

涼「何で大ちゃんが泣いてんだよ！」

大「だってぇ！」

涼「大ちゃんうるさいよ！」




泣く俺とは対照的に笑う山田。



泣いてたって聞いた時は焦ったけど、笑顔が見れてよかった。



まあ俺の所為なんだけどさ。




もちろん、その後知念にはめちゃくちゃ怒られた。

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