Dear.絶対エース【1】 (ページ40)

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40.♯ ページ40

全部の生地を使って型抜きをして、それをオーブンに入れる。

余熱は済んでいて、時間設定もされていたからスタートボタンを押すだけ。

涼「たのしみだね」

伊「一生懸命作ったもんね。絶対美味しいよ」

涼「いいにおいしてきたぁ」

伊「でしょー！俺この匂い大好きなんだー」

大「何かいい匂いするー！伊野尾ちゃん何してんの！」

伊「山田とクッキングしてた」

大「えー！ズルイ！俺と知念が昼寝している間に！！」

伊「普段から不規則な生活送ってるから昼間眠くなるんだろ？
あー、山田と作るの楽しかったぁ」

大「自慢してくんな！」

さっきまで寝ていた大ちゃんが起きてきてブーブー言っている。

大ちゃんは5歳児だから昼寝は必要なのは分かるけど、
知念は夜型で遅くまでゲームしてるからなあ。

涼「だいちゃん、」

大「んー？なに涼介？」

涼「あとでいっしょにたべようね。
りょうね、いっしょうけんめいつくったの」

大「もちろんっ！涼介が作ったのかぁ偉いなー！
可愛いなー！」

メンバー全員が山田にメロメロだから事あるごとに可愛いって言ってる。

で、当の本人はあまり理解していないのかニコッと笑うだけで。
それさえも可愛いんだけど。

薮「ふあぁ～。あ、クッキー出来た？」

伊「今さっきオーブンに入れたからまだだよ」

薮「そっかー。涼介、一緒に昼寝しよっか」

涼「うん。クマさんは？」

薮「あっちにあるよ。クマさんも一緒に寝ようね～」

眠そうな薮が山田を連れて行き、
俺は洗い物をすることに。

もちろん暇そうな大ちゃんにも手伝って貰った。

ピンポーン

キッチンに甘い匂いが広がる中、

インターホンが鳴った。

大「誰？マネージャー？」

インターホンに1番近い光が出ると、女の人に声が聞こえてきた。

「あ。あたし～、早く開けてー」

光「あの、どちら様ですか？」

「はあ？てかアンタ誰。涼介のお友達？」

光「え、あ…はい、そんなとこですけど。あなたは？」

「涼介の母親だけど」

母親！？

俺と大ちゃんは顔を見合わせる。

「涼介いるんでしょ？大事な用があるんだけど」

光「え、と…涼介は今いなくてですね、」

「嘘つかないでよ。隠れてるんでしょ。涼介～」

光「いや本当にいないんですよ」

と、ゆーか。山田小さくなってるし。