Dear.絶対エース【1】

26.♯ ページ26

伊野尾side







めざまし終わり。


共演者に挨拶をしつつ楽屋に戻り、衣装を着替えて、楽屋に置いてあった弁当に手を付ける。






そしてケータイを開くと通知が何件か来ていた。


今まで共演したことのある人と、裕翔から。





上から順番に返信していき、最後に裕翔のを開く。









伊「ぶほっ！」







やべっ…米が喉に詰まった…！

慌ててお茶を飲み何とか落ち着かせる。






裕翔から来たのは、泣き顔の山田の写真と、動画。








伊「ねぇマネージャー！俺もう帰る！」

「え、もう？いつもご飯食べてゆっくりしてるのに」

伊「だって見てこれ！山田超可愛いんだよ！」

「確かに可愛いですけど…」

伊「俺も山田に会いたい〜」

「分かったから！
八乙女さん家ですよね？車回すんでエントランスで待ってて下さい」






やったぁ！



マネージャーがバタバタと楽屋を出て行った後、
簡単に楽屋内を片付けて俺も出る。


廊下を歩いてる時も小ちゃい山田を想像してはニヤけてしまう。






正直、昨日はビックリしたけど。



ようやく“本当の山田”に会えた気がして俺は嬉しい。







山田はいつも口が悪くて我儘で物凄い子供っぽい時があるけど、
肝心な時は絶対に人に頼ろうとしなくて努力家で1人で俺らの前を歩こうとする。





不器用だなぁなんて思いながら、
毎回賭けのゲームに負ける山田に昨日はイチゴオレを買ってあげて。








あ、そーだ。

またイチゴオレ買って帰ろーっと。







山田の精一杯の我儘を、今まで抱えようとしなくてごめんね。





これからはもっと山田に寄り添えたらいいな。









伊「たっだいまぁー！山田ー！山田は？」

高「お帰り伊野尾くん。山田なら寝てるよ」



元気よく光ん家に帰還したのに反応してくれたのは高木だけ。


慧くん悲しいっ。





ソファでは山田がスヤスヤと寝ていて…可愛い！




子供って何で寝る時両手を顔らへんまで上げるんだろうね〜可愛いよね。









伊「で、何で朝山田泣いてたの？」

光「それが分かんないんだよ。
急に泣き出すし、理由聞いてもグズグズだから聞き取れなかったし」

知「伊野ちゃん見たら泣き止んだけどグズってたね」

裕「泣いてるやまも超可愛いの！」

伊「そっか〜俺のスパースターなパワーで泣き止んだかぁ」





可愛いなぁ山田。





だって動画で寂しいって言ってたんだよ？
普段の山田なら絶対言わない！

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