Dear.絶対エース【1】 (ページ16)

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16.♯ ページ16

光「はいはい！今から晩飯作るからみんな手伝えよ？
俺と薮でキッチン！他のみんなは涼介の事みてて！」

薮「え、俺？！」

伊「薮は戦力外じゃん！」

薮「ハッキリ言うなよ伊野尾！」

ひかと宏太がキッチン担当って、
完全にお母さんお父さんポジじゃん。

涼「…きょう、きんようびじゃないよ？
ごはんあるの？」

知「ん？今日は水曜日だけど…金曜日だと何かあるのかな？」

涼「きんようびだと、よるごはんたべられるんだよ。おかーさんかえってくる日だから」

知「…金曜日じゃないと夜ご飯出ないってこと？
他の日は？何食べてるの？」

涼「パンがね、6まいはいっているからそれをまいにち少しずつたべるんだよ。
どようびになったらおかーさんがあたらしいパンをくれるの」

知「パンだけ…？」

一週間パンだけで過ごしてるって事？

…育児放棄？

え、あの人当たり良さそうな涼介のお母さんが？

涼「おさとうつけると、すっごくあまいんだぁ」

パンに砂糖つけて食べるのがよほど美味しいのか嬉しそうな表情をする涼介。

僕は、複雑だ。

泣きたくなるのをグッとこらえて、涼介を抱き上げる。

知「ご飯はね、朝と昼と夜に食べるんだよ。
毎日食べるんだよ。
パンだけじゃなくて、いろんなのをね」

涼「パンおいしーよ？」

知「ひかの作るご飯も美味しいんだよ。
頬っぺたが落ちるくらいにね」

涼「えぇ…ほっぺたおちちゃうのはイヤだなぁ」

知「きっと毎日食べたくなるからね！
今日のご飯楽しみにしててね！」

作るのは僕じゃないけど。

でも愛情たっぷりだし、
みんなで食べるんだから美味しいに決まっている。

涼介。

今まで気づかなくてごめんね。

甘えてばかりでごめんね。

何もしてあげられなくてごめんね。

いつも助けてもらってばかりで、ごめんね。

今度は僕が助けるから。