柄じゃない関係 ページ29
沖田side
·
頭がこんがらがってきたので一回ぐるりと首を回す。落ち着こう。
悩みすぎて目的を見失うのは良くない。
要するに、今後どうすべきかってことを考えたかったのだ。
Aさんに、不用意な発言をしてしまう。
原因は、考えると止まらなくなるのでとりあえず不明。
このままいくと、Aさんを傷つけるかもしれない。
じゃあ、どうすればいいのか？
…単純な話じゃねえか。
Aさんと、すこし、距離を置けばいいだけだ。あまり、自分がおかしな発言をしないように、少し話す回数なんかを減らせばいい。
あっさりとすべきことが見つかって拍子抜けする。なんだそうじゃん、と俺は身を起こした。
それで解決のはず、なのだが。
…嫌だと、思った。
距離を置くのが。彼女と話せなくなるのが。
なんで、かは、やっぱり分からない。
ただただ、嫌だ、という感情だけが胸に巣食う。
「んだこれ」
生憎、最善策だけを選択して感情を無視した生き方ができている訳では無いので、この嫌さにもそれなりの意味があるはずだ。
らしくもない、とまた考える。
最近、自分らしくないと考えてばかりだ。らしくない、柄じゃない。そんな風に感じるようになったのは、いつからだったっけ。
「…ああ」
そんなに俺にとってAさんの存在は大きかったのか、と改めて驚く。自分を乱されるくらいに。なんだ、それ。
少し自覚していた自分にも、小さじ一杯分衝撃を受ける。
Aさんに救われて、楽しい時間を過ごして。
だったら尚更、傷つけてはだめだ。
恩を仇で返す、という言い方が正しいのか間違っているのかはわからないけど、とにかく、そういう真似をしてはならないと自分の頭が警鐘を鳴らしていた。
俺といること自体が、迷惑をかけているのだから。これ以上迷惑をかけないように。傷つけないように。
自分勝手な【嫌だ】という感情で、Aさんに暗い思いをさせて欲しくない。
＿＿俺は、Aさんと距離ができるのが嫌だという、この感情に蓋をすることに決めた。
さて、じゃあサボるか。
これで一人で仕事をする理由も必要も無くなったのだから。
スマートフォンにイヤホンをさして、気に入っている落語のひとつを再生する。
そのまま、がらりと襖をあけた。
「あれ、沖田隊長？」
ちょうど山崎が資料を片手に廊下を歩いているところだった。確か今日の見廻り当番だったはずだから、帰ってきたのは今さっきだろう。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - と〜っても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年10月25日 19時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます！嬉しい限りです。マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年10月19日 18時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - とっても面白いです！無理矢理原作に沿っていなくて，とても読みやすいです！更新頑張ってください！ (2019年10月19日 16時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年8月25日 22時
